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農薬の使用
「学校、病院、公園など住宅地では、できる限り農薬を使用しないでください」。農林水産省と環境省がこんな通知を出して1年以上たちますが、あまり浸透していません。通知は個人の庭やベランダも対象です。農薬の使用はくれぐれも慎重にしたいものです。

住宅地で農薬を散布する様子(イラスト)住宅地で農薬を散布すると、農薬が数日間漂い、子供などが農薬を吸い込んで健康被害が生じる恐れがあります。農水省と環境省は昨年1月、「住宅地等における農薬使用について」と題する通知を全国の都道府県と政令指定都市に出しました。農水省は同様の通知を03年にも出しており2回目です。

通知は (1)害虫の有無を確認しない定期的な農薬散布はやめる (2)街路樹などに害虫がいたらヘラのようなものでかき落としたり、枝切りなど物理的な方法で対処する (3)やむを得ず農薬を使う場合は散布の目的、農薬の種類、散布日時などを付近住民に知らせ、飛散が少ない方法で行う——などを求めています。

しかし、環境省が昨年1月に公表した農薬散布実態調査によると、アンケートに答えた全国226自治体の約420部署のうち、3割近くが「害虫の有無に関係なく定期的に散布していた」など通知違反と分かりました。農薬散布にかかわる部署が多いため、関係部署の末端まで浸透していなかったことが主な理由です。

散布日時を回覧板で住民に通知する様子(イラスト)通知がなかなか浸透しないことから、農水省東海農政局と環境省中部地方環境事務所は今年1月、名古屋市で「農薬適正使用指導者研修会」を開きました。農水省の農薬対策室課長補佐は「家庭菜園や住宅地に近接する農地も通知の対象です。住宅地に近い畑で農家が農薬をまく場合も、付近住民にチラシや回覧板などで知らせてから散布するようにしてください」と呼び掛けました。

両省が特に問題視しているのは、害虫の生息状況を確認せず、定期的に散布している事例です。昨年、農薬の定期的散布をしていた千葉県八千代市に通知の徹底を求めた「反農薬東京グループ」は「散布ではジクロルボスやディプテレックスなど有機リン系農薬も使われている。千葉以外でも定期的な散布が多い」と指摘します。

一方、西東京市は農水省の通知を受けた03年から基本的に農薬をまかない方針に切り替えました。サザンカなどにチャドクガが発生しても、早めに枝を切るなどの対応で、この2年間、農薬散布を行っていません。同市管財課は「委託業者は枝切りなどで対処している」と話します。

こうした中、名古屋市は今年1月、「害虫がいても、まずは薬剤を使用しない方法を検討する」など、通知を徹底させる基本方針を決めました。

毎日新聞生活家庭部

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