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非遺伝子組み換え作物の価格が高騰
世界的に主流になりつつある遺伝子組み換え(GM)作物。そのあおりで、組み換えでない(ノンGM)大豆やトウモロコシの確保が困難になり、価格も高騰しています。豆腐は「1丁200円」時代が目前に迫り、コーンスターチ(でんぷん)はGMトウモロコシを使う動きが出てきました。

大豆にトウモロコシ、非遺伝子組み換え作物イメージ(イラスト)

「ノンGM大豆の輸入価格は昨年の約2倍。原料高を価格に転嫁できず、倒産に追い込まれる製造業者が出てきた」。豆腐メーカーでつくる日本豆腐協会(東京)は訴えます。日本の大豆輸入量は約400万トンで、主な輸入先は米国約320万トン、ブラジル約38万トンなど(06年)。すでに、米国では大豆の作付面積の約9割、ブラジルでは半分以上を組み換え品種が占めています。

日本では豆腐や納豆などの加工食品にGM作物を使った場合、表示義務があります。消費者の抵抗感も強いため、GM大豆は家畜のえさや食用油に、ノンGM大豆は豆腐やみそ、納豆にと使い分けてきました。

しかし、肝心の外国産ノンGM大豆は入手が困難になる一方です。米国のほとんどの生産者が、農薬使用量が少なく収穫量も多いGM大豆を栽培するようになってきたためです。三井物産の食品大豆チーフトレーダーは「出張の際、農業関係者に豆腐など日本料理を振る舞って、ノンGM大豆の栽培を理解してもらうよう努力している」と話します。

「ウーム」悩むビール開発担当者(イラスト)GM大豆の輸入価格1トン当たり約6万円前後に対し、ノンGMは同9万円前後。国産大豆は同約15万〜17万円とさらに高くなります。コスト高は零細が多い豆腐製造業者を直撃し、昨年1年間で、東京都内では約900軒のうち約80軒が廃業に追い込まれました。

米国産と国産大豆をブレンドした付加価値が高いブランド豆腐(1丁160円)を売る東京都豆腐商工組合理事長の柳本恵三さんは「国産大豆にこだわるなら高価格は仕方がない。安い方がいいなら消費者にGM豆腐を受け入れてもらうしかない」と苦渋の表情で話します。

トウモロコシも、ノンGMの入手が困難になってきました。日本は06年、米国から約1600万トンを輸入しましたが、米国では既に約7割がGMです。日本では、これまで輸入GMトウモロコシは主に家畜のエサに回され、清涼飲料類や水あめの液糖、ビール発酵用には、ノンGMのスターチを輸入してきました。しかし、日本スターチ・糖化工業会(東京)によると、原料の高騰と入手難で企業の存続自体が危うくなり、今年2月、ついにGMスターチを輸入し始めました。

発酵にコーンスターチを使うビール業界では、GMを使いたい意向は強いようですが、「消費者の反発が予想され、使いたくても使えない」(大手ビールメーカー)と話しています。

毎日新聞生活家庭部

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