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駅での転落事故防止
駅のホームで急に気分が悪くなったり、酔って線路に転落する事故が増えています。今年2月には広島県廿日市で、目の不自由なしんきゅう師の男性(当時47歳)がホームから転落し、電車にはねられ死亡しました。国土交通省によると、ホームからの転落による列車事故(自殺を除く)は、04年度の31件から06年度は56件に増加しています。

駅のホームから転落する様子(イラスト)目の前で誰かが転落したらどうすればいいでしょう。JR西日本広報部は「まず列車を止めて」と呼びかけます。同社は乗降客の多い約220駅に「非常停止ボタン」を設置しています。押せばホーム手前の赤信号が点滅し、列車が緊急停止する仕組みです。非常停止ボタンは、東京都新宿区のJR山手線新大久保駅で01年、転落した男性を救おうとした韓国人留学生ら3人が死亡した事故を受け、国交省が各鉄道事業者に整備を指導しました。運転本数の多い全国約2000駅が対象で、06年度末までに約1700駅に設置されました。

JR西日本の場合、ボタンは柱などに20〜40メートルごとに設置。列車は1両約20メートルなので1、2両ごとに1カ所の計算になります。よく利用する駅ではボタンの位置を覚えておくといいでしょう。ボタンのない駅では大声で駅員に伝えましょう。駅から緊急停止を連絡できます。

非常停止ボタンを押す様子(イラスト)落ちた人を助けようと線路に下りるのは危険です。同社は「列車は想像以上に速い。気づいた時には手遅れの場合もある」と警告します。同社では社員が線路に入る際も必ず見張り役をつけ、列車通過時刻を事前に確認しています。「列車が来れば音で分かる」などと過信しない方がよさそうです。

万が一、自分が落ちてしまった場合はどうしたらいいでしょうか。ホームの高さは1〜1.5メートル。焦ってはい上がろうとしないで、ホーム上の人にボタンを押してもらうか、駅員に知らせるよう頼むのが基本です。列車が迫っている時はホーム下の空間に逃げ込むか、空間がない場合は数十メートルおきに設置された足場(くぼみ)に足をかけてホームに上がります。

ホーム下から駅員に助けてもらう様子(イラスト)列車が着いた後も油断は禁物です。川崎市の主婦(65)は半年前、東京都内の私鉄駅で、開いたドアに向かって走り出した4〜5歳の女児が車両とホームのすき間に落ちる場面を目撃しました。線路がカーブしていて、20センチほどのすき間がありました。母親がすぐ引き上げて事なきを得ましたが、主婦は「乗り込むまで子どもと手をつないでおいて」と話しています。

ホームに可動式の柵があれば転落事故の大半は防げるとされていますが、導入しているのは新幹線や一部の地下鉄などに限られ、整備は進んでいません。柵を設置するとドアの位置が異なる車両を運転できないことや、改修費用の問題が背景にあります。当面、客同士で助け合うなど自衛が必要なようです。

毎日新聞生活家庭部

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