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活動広がるフードバンク
品質に問題がないのにラベルの印字や包装の不備を理由に、大量の食品が捨てられています。こうした食品を必要な人に届ける活動「フードバンク」が広がりをみせ、2007年10月には東京都内で初の「全国フードバンクシンポジウム」が開かれ、活発な意見が交わされました。食べ物を有効活用し、誰でも参加しやすい新しい社会貢献としても注目を集めています。

ラベルの印字や包装の不備を理由に大量に捨てられている食品(イラスト)

「フードバンク」は1960年代に米国で始まりました。アリゾナ州でボランティア活動をしていた男性が、スーパーなどが大量に廃棄する食品を寄付してもらい、福祉団体などに無償配布したのが始まりです。数年後に全米に広がり、現在200以上の組織があります。

日本では、東京都のNPO法人「セカンドハーベスト・ジャパン」(2HJ)が2002年から本格的に取り組んでいます。2HJでは野宿者への炊き出しを行う中で、フードバンク活動の必要性を痛感したといいます。2008年10月現在、寄付企業は460社、配布先は460団体、08年の取扱量は8月までの実績で約800トンに上っています。

2HJの活動に刺激を受け、2007年から全国各地でさまざまな取り組みが見られるようになりました。同シンポジウムは、萌芽(ほうが)し始めたフードバンクをさらに大きく育てるため、2HJが全国の組織や食品メーカー、福祉団体に呼びかけて開かれました。

基調講演では「フードバンクという挑戦」の著者でジャーナリストの大原悦子さんが米国の実践例を紹介。「日本には、『もったいない』『困った時はお互い様』という文化がある。こうした精神をいかし、日本型のフードバンクを作っていくことが大切だ」と訴えました。

野宿者への炊き出しの様子(イラスト)

食品メーカーは「ニチレイ」「ハインツ」「日本ケロッグ」が参加。品質に問題のない廃棄食品が社会的に有効利用されることは、廃棄費用の抑制にもつながり、企業にもメリットが大きいと説明しました。

福祉団体からは「財政難の折、援助は助かる」「もののやりとりだけではなく、精神的な安らぎにもつながっている」などの声が上がっていました。

各地で活動が広がっています。女性だけのフィットネスチェーン「カーブスジャパン」や、一人の主婦が始めた「フードバンク沖縄」・・・・・・。2HJ理事長のチャールズ・E・マクジルトンさんは「今、私たちはどういう社会を築いていこうとしているのかが問われている。フードバンクを広げるために一人一人が何ができるか、考えてほしい」と話しています。

毎日新聞生活家庭部

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