お役立ち情報/情報ものしり帖

ケアする人のケアとは
高齢者や障害のある人の介護、病気の家族の看病などケアの担い手への支援「ケアする人のケア」が注目されています。ケアの現場への支援は乏しく、ストレスで心身共に疲弊する人も。そんな中、介護者同士が支え合う取り組みが広がっています。

子供や親の介護いに悩む様子(イラスト)

「認知症の義母と子どもの関係に悩んでいます」「母の介護で、うつと人格障害に。薬を飲みながら介護してます」

子育てと介護が同時に重なった人たちが悩みや情報を交換する「育児と介護の両立を考える会」のホームページ(http://www13.plala.or.jp/ikujitokaigo/)には、切実な声が並びます。運営するのは、東京都千代田区の女性(41)です。7年前、認知症の母を介護していた父が脳梗塞(こうそく)で倒れました。長女は1歳。一人っ子のこの女性が両親の介護と育児に忙殺される日々が突如始まったのです。

介護と育児の「二重苦」に共感してくれる人はいませんでした。「同じ悩みを抱える人がいるはず」と03年、ホームページを作成したところ多くの反響がありました。現在会員は約400人。女性は「少子化と晩婚化の中、介護と育児を同時に担う人たちは必ず増える。『悩んでいるのは一人じゃない』と気持ちを分かち合うことが力になるんです」。

相談いいですか?電話する様子(イラスト)

東京都のNPO法人「介護者サポートネットワークセンター アラジン」は、介護家族を支援しています。毎週木曜日に運営する介護者向けの電話相談「心のオアシス」には介護や人間関係の悩み、心身疲労などを訴える相談が寄せられます。2008年4月からの上半期には57件の相談がありました。

アラジンによると「少子化、核家族化の中でもはや介護は家族だけでは担えない。介護を家族が抱え込まないための施策が必要で、介護者の会など同じ境遇の仲間と出会える場が、社会資源としてどの地域にも平等にあることが望ましい」とのこと。地域での介護者の会の設立を支援し、首都圏で会のネットワーク化も進めています。

 *   *   *   *   *   *   *   *   *
財団法人「たんぽぽの家」(奈良市)では、99年から、ケアする人を支える仕組みを調査したり、集会を各地で開いてきた。担当者は「『ケアする人のケア』は、単なるストレスの軽減ではなく、ケアそのものの価値を高める活動でもある。誰もがケアする人になる可能性があり、社会全体が介護者を支える視点を持つ文化を作ることが大切」と話しています。

毎日新聞生活家庭部

Copyright© 2003 - 2008 Kyoei Fire&Marine Insurance Co.,Ltd. All rights reserved
※掲載されている情報は2008年時点の情報であり、最新の情報と異なる場合があります。