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認知症支援、手厚く
今年4月から3年間の新たな介護報酬が決まりました。報酬は全体で3%引き上げられ、介護従事者の待遇改善などに充てられます。報酬改定に伴い、増え続ける認知症への対策強化や医療と介護の連携強化策も打ち出されています。利用者が新たな負担を求められることもあります。

家族に看取られる事を願うおばあさん(イラスト)★看取りに対応
今回の改定では、認知症ケアや家族への支援策強化も大きな柱の一つです。認知症高齢者の生活の場として定着しているグループホームでは終末期の看取りや、ホーム退去時の相談援助に報酬が付きました。これまで看取りには報酬がついておらず、看取りをしている神奈川県内のホームの管理者は「一歩前進」と改定の中身を評価しています。

ただ、「住み慣れたホームで最期を迎えたい」という入居者の希望に応えるためには、医療との連携などの体制を整える必要もあります。看取りが定着するのにはまだ時間がかかりそうです。

利用者の自己負担はどう変わるのでしょうか。全国認知症グループホーム協会の岩尾貢副代表理事は「一般的な利用者の負担増は月1000円程度で、それほど増えないのではないか」とみており、小幅増になりそうです。

★在宅、若年性対策
在宅の認知症の人や家族への支援策も拡充されました。徘徊や幻覚など認知症の行動・心理症状が出て在宅生活が困難な場合は一時的にグループホームなどを緊急利用できるようになります。介護を担う家族の負担軽減につなげるのが狙いです。

若年性認知症に関しても、特別養護老人ホームや介護老人保健施設(老健)などで宿泊したり、ショートステイできるように改めました。支援策の乏しい若年性の対策強化を求めてきた「認知症の人と家族の会」の高見国生代表理事は「大きく前進した」と話しています。

このほか、認知症の専門研修を受けた職員を一定の割合で配置した場合、報酬を加算することになりました。

介護施設にて車いすで散歩をするおばあさん(イラスト)

★医療機関との情報共有に加算
ケアマネジャーが要介護者の入退院時に、病院関係者と情報を共有すれば新たに加算されることになりました。

ただ、ケアマネジャーの経験がある結城康博・淑徳大准教授は「医療関係者との情報共有は大事だが、これが利用者の病院からの追い出しにつながらなければいいが……」と危惧します。

医療費抑制のため医療機関は軒並み入院日数の短縮化を余儀なくされており、在宅介護推進の名のもと、病院から在宅への移行に拍車がかかるとの懸念が消せないからです。
 結城准教授は、通院介助で、病院内の介助には保険が適用されないなど、在宅移行後のサービスの使い勝手がこれまでと変わらない点についても問題視しています。

毎日新聞生活家庭部

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