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敷金・礼金不要の「ゼロ・ゼロ物件」
賃貸住宅で最近人気なのが、敷金・礼金不要の「ゼロ・ゼロ物件」。実は、アパートやマンションなど賃貸住宅の入居者が家賃を滞納し、家賃保証会社から無理やり退去させられるトラブルが相次いでいます。連帯保証人を立てられない入居者にとって、連帯保証してくれる保証会社は重宝な半面、家賃を数日滞納しただけで追い出しにかかる業者もいます。入学や人事異動に伴い、引っ越しが増える季節。入居時の契約には細心の注意を払いたいものです。

不動産屋の前でゼロゼロ物件のちらしを目にする様子(イラスト)保証会社は家賃の5割程度の保証料をあらかじめ入居者から受け取り、滞納があった場合、家主に家賃を立て替え払いして入居者に督促します。家賃の回収や立ち退き交渉も代行しています。敷金や礼金なしで入居できる「ゼロ・ゼロ物件」と呼ばれる賃貸住宅のほとんどは、不動産会社が保証会社との契約を求めている。家主にとっては「家賃滞納のリスク回避」、入居者には「初期費用の節約」というメリットがあるからです。

しかし、借り手が保護される借地借家法に基づかず、一時的に鍵を使えるという「施設付鍵利用契約」を結ばせる業者もいるのです。強引な家賃回収や追い出しが訴訟に発展するケースが東京や大阪などで起きています。

「何をされるか分からない恐怖感を感じた」

保証会社を相手取って昨年12月、大阪簡裁に提訴した派遣労働者の男性(22)は、取り立てられた時の心境を語ります。昨年4月、大阪府枚方市のゼロ・ゼロ物件に入居。土木作業員の仕事を辞めたため収入がなくなり、8月から家賃を滞納すると、10月に保証会社の社員が訪れるようになったのです。新たな鍵を掛けて部屋に入れなくしたり、「お前なめとんか。金払わんやつに何で家を貸さなあかんのや」と怒鳴られたりしたそうです。

昼間カギを変えられていて、夜帰ってきたときドアが開かない様子(イラスト)無断で鍵を交換されて閉め出されたり、年率420%を超える遅延損害金を請求された人も大阪簡裁に訴訟を起こしています。大阪の弁護士と司法書士の有志でつくる「賃貸住宅追い出し屋被害対策会議」の担当者は「追い出しや取り立ては居住権侵害や恐喝罪に当たる」と指摘し、「ゼロ・ゼロ物件を避けるのが望ましいが、やむを得ず契約する場合は契約内容をよく確認すべきだ。トラブルになったら泣き寝入りせず、法律の専門家に相談してほしい」とアドバイスしています。

保証会社は全国で100社とも200社ともされますが、実態は不明です。しかも家主は借地借家法、不動産仲介会社は宅地建物取引業法でそれぞれ規制されるのに対し、保証会社は法規制の対象外で、事態を重くみた国土交通省は法整備を検討しています。

保証会社の関係者は「業者の中には元ヤミ金業者も含まれ、取り立てのノウハウを駆使して暴力的な追い出しにかかるケースもある。そのような業者ほど契約時の審査が甘いのが特徴。手軽さに目を奪われず、十分注意してほしい」と話しています。

毎日新聞生活家庭部

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