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謎の痛み「五十肩」とは
スーツを着ようとすると右肩が痛くて上がらない。寝るとき、右半身を下にすると痛む。東京都大田区の男性会社員(43)は、こんな症状に悩まされました。痛みは次第に増し、近くの病院で診察を受けたところ、レントゲン撮影では骨折は発見されず、炎症や上腕骨と肩甲骨をつなぐ腱板(けんばん)の断裂もありませんでした。男性は痛み止め薬と湿布を処方されました。

スーツを着ようとして肩が痛くて上がらない様子(イラスト)このような症状は、「四十肩」「五十肩」と呼ばれています。江戸時代中期の辞書には「五十腕」という項目があり、「五十腕とも五十肩ともいう。また長命病という」と説明されています。当時は平均寿命が50歳以下で、「肩が痛くなったら長生きの証拠」と考えられていたとみられます。

医療現場では「五十肩」と呼ばれることが多く、「初老期の疼痛(とうつう)性肩関節制動症」と定義され、海外では、「フローズン・ショルダー(凍結肩)」と言われています。

江戸時代から人々を悩ませてきた痛みですが、実態はよく分かっていません。「40〜50歳の人に多い肩関節の動きが制限される痛み」であることは明確ですが、なぜ起きるのか、原因となる生活習慣があるのか、男女で違いはあるのかなども未解明です。

オレもそろそろ五十だな・・・五十肩に悩むサムライ(イラスト)肩関節のトラブルに詳しい整形外科医は「五十肩の患者を検査しても、これといった異常が見つからない。ただ、肩関節を包む袋(関節包)が厚く、硬くなり、結果として肩が動きにくくなったり、痛みが生じるようだ」と解説しています。

また、糖尿病や高脂血症の人に五十肩が多く、治りにくいといわれます。これらの病気の患者は末梢(まっしょう)血管に障害が出やすいことが関連している可能性があります。

三角巾を使って肩を休める様子(イラスト)五十肩の対処法について専門医は、「痛みがひどいときは安静に、痛みが少しやわらいだら、肩を動かせる範囲で動かした方が回復は早い」とアドバイスしています。ひどい痛みのときは、なるべく肩を動かさないようにし、三角巾(きん)を使うのもいいようです。重い荷物を持つのは厳禁で、患部を温めると痛みがやわらぎます。我慢できない痛みが続く場合は、ステロイドやヒアルロン酸、大量の生理食塩水を注射する治療法もあります。

肩が少し動かせるようになったら、痛みが出ない範囲で動かすことを心がけます。放っておいても、多くの人が1〜2年で治りますが、1年以上たっても運動や作業をする際に痛みが残る人もいます。専門医は、「腱板断裂など別の障害が起きている可能性もあり、自分で判断せず、整形外科の診察を受けてほしい」と呼びかけています。

毎日新聞生活家庭部

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