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昼間の仮眠15分で頭スッキリ
就寝が毎晩午前1時過ぎと遅い東京都板橋区の男性会社員(37)は、昼過ぎになると耐え難い眠気に襲われるのが悩みでした。数年前に短時間の仮眠を取り入れて以来、頭はスッキリ。午後の仕事も支障なく続けられるようになりました。

ねむい・コクリ。パソコンを前にうとうとする様子(イラスト)一般的に、健康被害の少ない睡眠時間は成人で6時間半から8時間と言われています。NHKの国民生活時間調査によると、国民全体の平均睡眠時間は7時間22分(05年)で、約半世紀で50分近く減りました。インターネット使用者の平日の睡眠時間を調べた国立精神・神経センターの研究チームによると、10代後半から40代までの約2人に1人が6時間未満、10人に1人が5時間未満の睡眠しか取っていませんでした。

睡眠不足が健康被害を招くという多くの研究事例があります。米研究チームが、健康な成人を対象に眠気や作業効率からアルコール摂取量と睡眠不足との関係を調べたところ、必要な睡眠より2時間不足する人(体重60キロ)は、缶酎ハイ(180ミリリットル)4〜5本程度を飲みながら仕事をしていることに相当するとの結果が出ました。また、国立保健医療科学院(埼玉県和光市)の研究者らの調査では、睡眠不足の労働者は、病欠の危険性が1.89倍、人間関係の悪化2.44倍、事故で加害者や被害者になる確率は1.48倍に上がりました。

ただいま仮眠中。机に伏せて仮眠を取る様子(イラスト)一方、前夜に十分な睡眠を取っても、午後になると強い眠気に襲われた経験を持つ人は多いようです。国立精神・神経センターによると、一部でいわれる昼食の消化に伴う脳貧血が原因ではなく、人間の生理現象によって習慣的な就寝時間の15時間後に眠気が強くなります。

こうした眠気の解消と、脳のリフレッシュに効果があるとされるのが仮眠です。専門医は「15分から20分程度の短い時間の仮眠を取るといい」とアドバイスしています。

実際、この程度の短時間仮眠は脳の機能回復に役立ちます。15分の仮眠で、判断処理にかかる時間が15%近く、注意力が2倍近く改善し、20分の仮眠で、眠気や疲労感が顕著に低下します。さらに高齢者にとっても短時間の仮眠は有効で、1時間未満の昼寝をする習慣のある高齢者は、アルツハイマー病発症の危険率が5分の1に低下します。

仕事中寝ちゃダメよ!見送られ出社する様子(イラスト)仮眠は有効ですが、睡眠時間の長さには注意が必要です。人間は寝始めると深い眠りの「ノンレム睡眠」が現れます。眠りの深さにより、1〜4段階に分けられ、3、4段階まで進むと容易には起きられません。仕事をする能力が低下するほか、眠気が覚めず、居眠り事故を誘発する危険があります。そのため1、2段階で目覚めることが必要です。これが眠り始めてから15〜20分に相当します。また午後に2時間など長い仮眠を取ると、夜間の睡眠で深い睡眠量が減少し、かえって有害とされています。

実際に短時間仮眠を導入する企業も現れました。JR東海は07年10月、運転の安全性維持のため、新幹線の運転士や車掌に搭乗約1時間前から約20分間の仮眠が取れるように仮眠室を設けました。導入後は「頭がすっきりして集中力が高まった」「体が楽になり、事故防止の意識が高まった」など好評です。
 

毎日新聞生活報道部

         

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