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生の鶏肉による食中毒に注意
生のレバーや鶏などの刺し身を食べて、食中毒になる人が多くなっています。主な原因は「カンピロバクター」と呼ばれる細菌です。「新鮮な肉なら安全」と思ったら大間違い。生肉を食べるときはくれぐれもご用心を。

「まだ生でしょ!?」「ええよええよ」半生の焼き鳥を食べる様子(イラスト)10月19日、徳島県美馬市内の焼き鳥店で客7人が発熱や下痢など食中毒症状を訴えました。同県生活衛生課で調べたところ、7人のうち3人の便からカンピロバクター菌が検出されました。7人が共通して食べた鶏のささみとレバーの刺し身が原因と疑われました。同課は「新鮮な生肉なら大丈夫という勘違いがお客にも店側にもあった」と注意を呼び掛けています。

カンピロバクターは鶏や牛、豚などの腸管にすむ細菌です。特に鶏の腸管には常にいる菌で、食中毒の原因として最もポピュラーです。カンピロバクターにあたると2〜7日の潜伏期間後に、発熱や下痢、腹痛、吐き気、血便などの症状が出ます。死亡することはほとんどありませんが、食中毒のあとに手足がしびれたり、呼吸困難などを起こすギラン・バレー症候群をまれに発症することもあります。

原因となる食品としては生の鶏肉が多く、加熱不足の焼き鳥でも起きます。厚生労働省の調査によると、市販の鶏肉の2割前後が汚染されていました。

汚染の背景には、食肉処理場での問題点があります。そもそも食肉処理場では、店や家庭で生の鶏肉が食べられるように衛生管理は行われていません。また、現在の食肉処理技術で食中毒菌を100%除去することは困難です。

「ギャーッ」焼き鳥の菌が炎で死滅する様子(イラスト)ところが、消費者の生の鶏肉への警戒心は低いのが現状です。東京都が今年1〜3月、1000人にアンケートしたところ、3カ月以内に鶏の刺し身などの生肉を食べた人は4割、20〜30代になると約5割に上りました。鶏肉がカンピロバクターで汚染されていることがあるのを初めて知った人が約7割もいました。都内の飲食店(112店)へのアンケートでも、約半分の店は鶏肉による食中毒をよく理解していませんでした。

東京都の場合、カンピロバクター食中毒患者の約7割は20〜30代で、入院するほどの重症になる患者の多くは子どもでした。菌は75度以上の加熱で死滅するため、できるだけ加熱して食べれば安全です。

食中毒を起こす微生物には、O157(病原性大腸菌)のほか、ノロウイルス、サルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌などがあります。昨年の食中毒発生件数は1369件(患者約2万4000人)で、最も多かったのはカンピロバクターの509件(患者約3000人)、次いでノロウイルスの303件(同約1万1000人)でした。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2009年11月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。