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コミュニティーサイクルが注目されています
都市部の手軽な移動手段として、自転車を共同利用する「コミュニティーサイクル」が注目を集めています。二酸化炭素(CO2)の排出を抑え健康づくりにも役立つとして、パリやバルセロナなど欧州の都市では既に定着しています。国内でも東京や札幌、横浜など8都市で日本型の「コミュニティーサイクル」の試験運用がスタートしました。

共有自転車を利用する女性(イラスト)コミュニティーサイクルは、都心までは鉄道やバスなどの公共交通機関を利用し、街中の移動に自転車を共用するシステムです。従来のレンタサイクルと異なり、借りた場所に自転車を返す必要はなく、約300メートル間隔に設置されているポート(拠点)で返却したり、借りることができます。都市部の自動車交通量を抑える環境対策として、欧州では現在、12カ国の80都市以上で導入されています。

東京都千代田区のオフィス街「大手町・丸の内・有楽町地区」では、10月1日から試験運用がスタートしました。環境省が旅行代理店「JTB首都圏」に委託し、11月末まで実施しています。「丸の内仲通り」沿いを中心に、JR有楽町駅前の「有楽町電気ビル」や、東京駅に近い「大手センタービル」など5カ所にポートを設け、直線で約1.3キロの範囲に自転車計50台を配備しています。

実際に利用してみました。まず、有楽町駅前のJTBの支店で事前登録します。携帯電話か、パスモやスイカなどのICカード、専用カードに個人認証できるシステムを組み込みます。申込書、クレジットカードを提出し、登録料1000円を支払えば完了です。

すぐそばの有楽町電気ビル前のポートにとまっている自転車は、前輪が駐輪機に固定されていますが、ICカードをかざすと簡単に外れます。前カゴがないのが少し不便ですが、サドルの高さを調整し、丸ビルへ。高級ブティックなどを横目にスイスイと走り、8分ほどで到着。丸ビルのポートに自転車を返却しました。

自転車をポート(拠点)に返却する様子(イラスト)料金は30分まで無料で、その後は10分ごとに100円、3時間以上は5分100円が課金されます。いったん返却すれば、再び借りても30分以内なら無料。支払いが生じた場合はクレジットカードで引き落とされ、利用状況はメールに即座に連絡が入る仕組みです。自転車にカギはなく、自転車を立てる「スタンド」もありません。ポート以外の場所に駐輪できないようになっています。24時間利用できる手軽な交通手段として、この地区での利用登録者は約500人に上っています。

環境省による実用試験は、札幌市の札幌駅前でも9月19〜30日に実施し、220人が利用しました。「都心で自転車に乗れるなんて考えたこともなかった」「行動範囲が広がった」などの声が寄せられました。

国土交通省も来年2月まで、東京都千代田区▽横浜市▽神奈川県茅ケ崎市▽名古屋市▽広島市▽松山市▽北九州市――の全国7カ所で、同様の実用試験を順次行う予定です。

NPO法人「自転車活用推進研究会」によると、1960年代後半にアムステルダムで、放置自転車を白く塗って町中に置き、自由に使えるようにした「ホワイトバイク」がコミュニティーサイクルの始まりといいます。その後、欧州各地で広がり、パリで07年7月に導入された「ベリブ」は、市民や観光客の人気を集め、現在は約1500カ所のステーションに自転車2万台以上が配置されています。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2009年11月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。