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アテローム血栓症が注目されています
動脈が狭くなる血管の病気「アテローム血栓症」。脳卒中や心筋梗塞の主な原因で、がんと同じように複数の臓器にかかわる病気の概念として注目されています。

アテロームは、おかゆ状で脂肪性の沈着物で、心臓から脳につながる大動脈、大脳の中心を流れる中大脳動脈など、比較的太い動脈にできやすいといいます。アテローム血栓症は、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病が原因で、血管の動脈硬化が進むことで起こります。動脈の内側に脂質などが沈着して病巣を作り、その病巣が破壊されてできた血小板血栓が動脈をふさいで発症します。

ストレス、飲酒、肥満、喫煙、運動不足・・・危険因子の中で働く様子(イラスト)

日本人の死因の上位は、がん、心臓病、脳卒中の順です。このうち心臓病や脳卒中の多くは、アテローム血栓症による心筋梗塞や脳梗塞が占め、死因統計の上位になります。国内の脳梗塞の発症率などのデータから、人口10万人あたりのアテローム血栓性脳梗塞の年間発症率は22.2人と推定されています。

世界保健機関(WHO)の統計によると、アテローム血栓症は02年時点で世界における死亡原因のうち、がん(12.5%)や感染症(14.2%)を上回る24.6%でトップでした。09年の米国の調査では、死因の約29%がアテローム血栓症で、がん(31%)に続いて多くなっています。

脳梗塞になっても、意識がはっきりしていることがあります。ところが、後遺症が残る可能性があるため、手足のまひなど症状が表れたら早めに受診することが大切です。基本的な検査は、血圧、脈拍、心電図、血液などを調べます。病気が疑われれば、CT(コンピューター断層撮影)検査などで血管などの状態を詳しく診断します。

脳梗塞の治療は、症状が比較的重い初期には薬物療法が行われます。脳梗塞のタイプによって6種類の薬があり、梗塞の範囲が小さい場合は血栓を溶かす目的の薬が処方されます。梗塞が広範囲におよぶ場合は、新たな血栓を作らないことに加え、脳の障害を最小限に食い止めるための薬が用いられます。

エッホエッホ ジョギングする様子(イラスト)

心筋梗塞では、心臓の電気的な活動を調べる心電図検査が行われます。さらに胸部X線検査で心臓の大きさなども調べます。心筋梗塞に伴う心不全があると心臓は拡大し、さらに重症化すると、肺にうっ血がみられます。

代表的な治療では、血栓を溶かす薬を使うほか、カテーテルを血管に通して、病巣に血栓を溶かす薬を吹きつけて血液の流れを改善する再開通療法もあります。また、外科的な方法では、狭くなった血管を迂回して新しい血液の通り道を作る冠動脈バイパス術があります。

発症につながる危険因子としては▽高血圧▽糖尿病▽高脂血症▽肥満▽運動不足▽喫煙▽ストレス▽飲酒などが挙げられます。

アテローム血栓症は脳、心臓、手首や足などの末梢動脈に共通してみられます。いったん治っても別の臓器で発症することが多いため、再発を防ぐ2次予防も重要と考えられています。専門医は「アテローム血栓症の再発率は高く、より症状が重くなる傾向がある。再発予防のための治療を徹底するとともに、運動療法などで生活習慣の改善が求められる」と指摘しています。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2010年2月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。