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黄砂で花粉症やぜんそく悪化のおそれ
空が黄色く煙り、ビル群や山並みがかすむ。春は黄砂の季節でもあります。国内で黄砂が観測される日数は増加する傾向で、市民生活に思わぬ影響を及ぼすこともあります。

02年3月21日、九州北部は大量の黄砂に見舞われました。肉眼で見通せる距離(視程)は長崎市で2キロ、福岡市で3キロまで狭まり、福岡と長崎の離島を結ぶ航空機が欠航しました。翌22日には北海道まで到達し、仙台管区気象台には「物干しざおに砂が付いているが何か」などの問い合わせが相次ぎました。

ベランダから黄砂で黄色くなった空を眺める様子(イラスト)黄砂は中国のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠、黄土高原の細かな砂が強風によって巻き上げられ、上空の風に乗って飛来する現象です。砂の粒子が小さいほど遠くまで運ばれ、北米やグリーンランドに達する場合もあるとされています。日本では春先から初夏にかけ、東アジアを経由する低気圧の通過に伴って観測されることが多いようです。

気象庁によると、日本で09年に黄砂が観測された日数は22日ありました。観測日数は00年以降、増加傾向にあり、最多は02年の47日でした。00年まで30年間に観測された月別日数の平年値は、4月が7.4日と最多で、3月の5.3日、5月の3.3日と続いています。

大気環境学の専門家は「職員が目視で実施しているので、黄砂と大気汚染物質を十分に区別できず、黄砂が増加しているとは一概に言えませんが、中国やモンゴルでは過放牧などによる砂漠化が進んでいるため、黄砂の発生量が増えている可能性はあります」と指摘しています。

マスクをして黄砂がまう中を出勤する様子(イラスト)黄砂が飛来すると、どんな影響が出るのでしょうか。洗濯物や車などが汚れることは知られていますが、黄砂に付着した微生物やカビの死骸、環境汚染物質などによって、花粉症やぜんそくの症状が悪化するおそれがあります。専門家は「花粉と黄砂を一緒に吸い込むと、花粉の飛散量が少なくても症状が重くなったり、花粉症でなかった人が突然発症する可能性もある」と指摘しています。黄砂がひどい日は外出を控えるか、外出時はマスク着用が必要です。

気象庁は、日本付近の黄砂観測地点と視程の分布を示した実況図や、上空1キロまでの黄砂の濃度を最大87時間先まで予想した予測図をホームページで公開しています。国内の広い範囲で黄砂が観測され、その状態が24時間以上継続すると予想される場合には、「黄砂に関する気象情報」を発表します。

また、環境省と気象庁が08年4月に開設した「黄砂情報提供ホームページ」では、レーダーによる観測を基に推計した各地の地上付近の黄砂濃度を表示しています。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2010年4月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。