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カフ?セル内視鏡か?注目されています
胃や腸など消化器の中の異常を直接カメラで見て診断する内視鏡検査。がんなどの早期発見に有効ですが、カメラ付きの長い管を口や肛門から入れるのに抵抗がある人が多いようです。そういう患者さんのために、新しい機器「カプセル内視鏡」の普及が進んでいます。患者の体への負担はほぼゼロで、従来は発見が難しかった病気を見つけられる利点もあります。

カプセル内視鏡を飲む様子(イラスト)「簡単にのみ込めるカプセル型のカメラがあるといいね」。カプセル内視鏡のアイデアは1981年、イスラエルのミサイル開発技術者、ガブリエル・イダン博士が、知人の医師から聞いたこんな言葉から生まれました。その技術を転用して、97年にはカプセル内視鏡の原形ができました。01年には米国、欧州で医療機器として認可されました。

日本では07年10月、小腸用カプセル内視鏡が「原因不明の消化管出血症例」に対して保険適用となりました。今年2月には一度に撮影できる面積が2倍以上広くなり、画質も向上した最新モデルが発売されました。海外では大腸用、食道用のカプセル内視鏡も開発されています。

国立がん研究センター中央病院(東京都)では月に4、5件の小腸用カプセル内視鏡検査を行っています。

体にセンサーを付ける様子(イラスト)患者は検査前日の夕食後から絶食し、当日は午前8時半に検査をスタートします。胃と小腸に付着した粘液を取り除く薬を飲んだ後、みぞおちから太もものつけね周辺にかけての8カ所に小さなセンサーを張ります。センサーは箱形のデータレコーダー(重さ約500グラム)につながっています。こうした準備の後、直径11ミリ、長さ26ミリのカプセルを飲みます。レコーダーは腰に巻き、その後は外来患者なら帰宅も出勤も自由です。2時間後からは水が飲め、4時間後からは食事もOKです。

カプセル内視鏡は、最新モデルなら1秒間に2回ずつ発光ダイオードで腸内を照らしつつ撮影し、センサーを通じて画像をレコーダーに送ります。翌日、患者はレコーダーを持って病院に行きます。カプセルは使い捨てです。

病院で医師が画像を見る様子(イラスト)病院では医師がレコーダーから8〜12時間分の画像を取り出し、「読影」をします。専門医の目は、5万〜8万枚もの画像から小さながんやわずかな出血など病気の兆候を見逃しません。日本の読影技術は世界でもトップレベルと言われています。

長さ6〜7メートルの小腸は、従来の内視鏡では全体を見ることができないため、人体の「暗黒大陸」とも呼ばれていました。カプセル内視鏡はその闇を照らす光ともいえます。

カプセル内視鏡検査にかかる費用は、カプセル代金と検査料で約3万円(自己負担3割の場合)です。検査を受けられる病院は全国に約200カ所あり、「飲むだけドットコム」(http://www.nomudake.com/)で調べることができます。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2010年7月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。