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虫刺されの季節です
屋外で過ごす機会が増える夏の季節はハチなどによる「虫刺され」の心配が増えます。虫刺されといっても、虫の種類や過去に刺された頻度などによって症状は千差万別です。

虫刺されは、医療現場では虫刺症、虫咬(ちゅうこう)症などと呼ばれています。原因は、蚊などが血を吸うときに注入する血液の凝固を防ぐ物質▽ハチやムカデ、ドクガの幼虫(毛虫)などが攻撃や保身のために持つ有毒物質——に大別されます。

ハチ、ケムシ、ムカデが潜んでる中で昆虫採集をする子供(イラスト)

家庭でも頻繁に経験するのは、蚊やノミに刺され、かゆみやぷつんと膨らんだ赤い発疹などが出るケースです。蚊などの血液凝固を防ぐ物質は有毒ではありませんが、人の体が「異物」と判断するため、アレルギー反応によるかゆみや赤みが起こります。一般的に、生まれて初めて蚊に刺されたときは無症状ですが、何度か刺されると1〜2日後に症状が出るようになります。繰り返し刺されて幼稚園〜小学生くらいの年齢になると、刺されてすぐに出る症状と遅延型の両方が出ます。刺されて症状が出てから1、2時間程度でいったん治まった後、再び赤みやかゆみ、腫れが数日以上続くケースがこれです。さらに同じ虫に刺され続けると、最後にはアレルギー反応が出なくなることがあります。

治療は、激しいかゆみがあるときは患部を冷やし、ステロイドの入った塗り薬などを使います。炎症が強ければ抗ヒスタミン剤なども内服します。

虫刺されのように見えても実は肝疾患や血液疾患、金属アレルギーなど別の病気が原因のこともあるため、専門医は「診察の時は原因を推定するために、虫に刺されたと思う場所などを詳しく教えてほしい」と話しています。

命にかかわることがあるのがハチです。ハチに刺されると有毒物質で痛みや皮膚の赤みが生じ、だんだん膨らみが増します。初めての場合は痛みだけで済みますが、2回目以降では、刺された直後よりも2、3日後に症状が最も強くなり、1週間前後で治まることが多いようです。刺されたら、アウトドア専門店などで販売されている毒吸引器で吸い出し、患部をきれいな水で洗います。アンモニア水や尿にハチ毒を中和する効果はないため、患部にかけてはいけません。口内の粘膜や傷から毒が入り込む危険もあり、口で吸い出すことも避けたいものです。

「いろんな虫がいるからね」、「はーい」背中を刺されて薬を塗って貰う子供の様子(イラスト)

最も心配なのは、血圧低下や呼吸停止などの急性アレルギー反応「アナフィラキシーショック」です。刺されて7分で死亡したケースもあり、専門医は「中高年以上で山林での作業などハチに刺される可能性が高く、かつてハチに刺されて全身症状を起こしたことのある人は、事前に医療機関に相談し、応急処置のための自己注射用エピネフリン注射薬を処方してもらいましょう」とアドバイスしています。初めて刺された時でも、一度に数十匹に刺されると何日も体内にハチ毒が残り、数日後にショックを起こすこともあるので注意が必要です。

虫刺されは市販薬で対処することが多いですが、市販薬は抗ヒスタミン、かゆみ止め、消炎、殺菌などの成分の組み合わせ、薬の形状(液体、軟こう、クリーム)の違いによってさまざまな種類があります。薬局では薬剤師などが、かゆみなどの症状の強さ▽過去に刺されたときに症状の悪化が長く続いた経験があるか——などをたずねた上で、適切な薬を勧めます。かゆみなどの症状が強い場合はステロイドの入った薬を勧めることもあります。

予防策としては市販の虫よけ剤(医薬部外品)が有効です。主成分の「ディート」は皮膚に対する安全性は確認されていますが、鼻や口からの吸入を避けるため、スプレー型の場合、小さな子どもに対しては大人が手に吹き付けた液体を首などに塗ってあげましょう。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2010年7月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。