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禁煙に電子たばこ
10月からのたばこ値上げで、禁煙・減煙補助グッズが人気を集めています。数年前から登場した「電子たばこ」は、大手コンビニやスーパーなどが取り扱いを拡大するなど、目にした人も多いのではないでしょうか。「禁煙用品として効果がない」「一部はニコチンを含有し薬事法違反の可能性がある」などの声もある電子たばこ事情を調べました。

飛行機で電子タバコを吸おうとする様子(イラスト)「意外に安いと思って手が伸びた。気晴らしくらいになればいい」。9月初め、東京都江東区のコンビニで、同区の男性会社員(38)は初めて電子たばこを手に取りました。約60本相当を吸える使い捨て式で980円。普段吸っている20本入り300円のたばことほぼ同じコストが購入の決め手になりました。

電子たばこは、本物のたばこと違い、たばこの形状をした電子機器です。葉が詰まっている部分にはバッテリーが入っていて、吸い込むと先端のLEDランプが赤く光ります。吸い口のカートリッジに入った液体が電気の熱で蒸気に変わり、吐き出すとあたかも紫煙をくゆらすような雰囲気を味わえます。国内では、ニコチンの含まれないものしか販売できません。

08年ごろから、アイデアグッズ販売会社や飲食店運営会社、出版社などさまざまな業態が輸入して販売を始め、大手のコンビニ、スーパーにも広がりました。既に数十万本以上が販売されたとみられています。

ほとんどは中国製で1000円前後の使い切り式と、カートリッジを交換して繰り返し使える充電式があります。充電式は1500円程度から1万円を超える高級品までさまざまです。08年末から試験販売を始めていた大手スーパーのイオンは、今年6月から販売アイテムを20種に拡大し、全国展開を始めました。5月から電子たばこの販売を始めたコンビニ大手、セブン―イレブンの担当者は「売り上げは順調に増えている。たばこ値上げで期待できそう」と話しています。

電子タバコだけどダメ?NO! 機内の様子(イラスト)電子たばこは「たばこ味」などの液体を気化させて楽しむみますが、国民生活センターが調査したところ、25銘柄中11銘柄のカートリッジの液体から微量のニコチンを検出されました。実際に吸い込む蒸気にニコチンが含まれているかは確認できませんでしたが「薬事法違反の可能性もある」と指摘しています。

電子たばこの販売業者は「製造ラインで混入した可能性が高い」と推測しています。世界中の電子たばこの大半を製造している中国では、欧米向けにニコチン入りも作っているため、同じラインで作った製品にニコチンが混入した可能性があるようです。

世界保健機関(WHO)は08年、電子たばこについて「禁煙効果には疑問がある」と指摘しましたが、ある業者は「1本でも2本でもたばこの代わりになれば減煙につながる」と強調しています。

電子たばこを禁止するかどうかは公共交通機関で対応が異なります。日本航空は、JTが5月から販売を始めた無煙たばこの機内利用を認めていますが、「電子たばこは蒸気が出る電子機器で、飛行に影響を与える可能性は否定できない」と禁止の扱いです。無煙たばこを禁止する全日空も「他のお客様の快適性を損ねる恐れがある」と禁止です。JR東日本は、「禁止まではしていないが、混雑した車内や他のお客様との兼ね合いで、自粛をお願いすることはありうる」。JR東海も「現場でお声かけさせていただくことがあるかもしれないが禁止はしていない」と、状況を見守る方針です。JR北海道は「煙に見えるため、他の乗客に誤解を与える」と車内での利用は禁止していますが、ホームでは禁止していません。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2010年10月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。