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特約付きのペット保険も
東京都内の会社員(30)は今年の夏、愛犬のペキニーズ(メス3歳)が便秘気味だったため、世田谷区の動物病院を訪れました。「問題なし」の診察に一安心し、窓口で損害保険会社が発行した「保険証」を見せました。これがあれば、医療費の自己負担は大体5割で済みます。「不安な時は、すぐ病院に連れて行きます」と愛犬の頭をなでました。

この会社員は、6年前に愛犬のシーズーを腎臓疾患で亡くしました。当時はペットのための保険があると知らず、亡くなるまでの半年間は診察や点滴、手術などで約100万円かかってしまいました。その後、インターネットで保険を知り、2匹目を飼い始めたときに加入しました。

結構なお値段・・・動物病院にて会計時の様子(イラスト)ペットの医療には人間のような健康保険の制度がなく、診察費用はすべて飼い主の自己負担です。また、各獣医師が自由に診察料を設定できるため、同じ治療を受けても、病院によって支払う金額が異なります。東京都福祉保健局の06年調査によると、犬の飼い主の6割が、1年間に3万円以上の医療費を払っています。

一方、ペットが長寿化し、高度な治療を希望する飼い主が増えていることから、医療費などを補償する「ペット保険」の加入者が増えています。調査会社の試算によると、加入件数は10年12月末時点で54万1000件にのぼっています。前年同期に比べ24.7%増え、過去最多になる見通しで、「保険の信頼度が向上した結果」と分析しています。

以前のペット保険は任意団体による共済形式で、監督官庁や根拠となる法律も存在していませんでした。業者の倒産が問題化し、契約者を保護するために06年4月に改正保険業法が施行され、保険業の免許や財務局への登録が必要になりました。現在は約10社がペット保険を取り扱っています。

各社のペット保険は通院費や手術代などを30〜100%の範囲で補償する内容です。自分のペットが他人にけがをさせた際の損害賠償を補償したり、葬儀代を出したりする特約もあります。保険料はペットの種類や年齢で幅広く、例えば1歳のミニチュアダックスフントの場合、月額1000円台から5000円台までのプランがあります。

ペットの事、たしかにいろいろ心配・・・(イラスト)東京都内の最大手の損害保険の場合、全国のペットショップと代理店契約を結び、加入者を増やしています。保険の加入率は現在、ペットを飼う世帯の約2%ですが、将来は10〜15%まで伸びそうです。

動物病院側もペット保険を歓迎しています。ある動物病院長は「ペットの調子が悪くても、保険に入っていないと、治療費を気にして『もう少し様子を見てみよう』と考えがち。保険に加入していると手遅れになる前に受診してもらえ、治療の選択肢も広がる」と話しています。動物医療の現場では、治療費を払わなかったり、治療費の請求に応じないまま音信不通になったりする飼い主が問題化していることから、そうした「踏み倒し」の抑止効果も期待できそうです。

ただ、契約には注意点もあります。ペットを巡るトラブルの相談を行っている行政書士は「法改正で悪質業者はなくなったが、補償の内容が細かくなってきたので、補償の条件をきちんと理解してから契約してほしい」とアドバイスしています。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2010年10月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。