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卵のサルモネラ菌にご注意
サルモネラ菌による食中毒をきっかけに、米国で5億個以上の卵が回収される騒ぎが起きています。日本でも今年8月、大分県で卵料理が原因とみられる200人を超える集団食中毒がありました。卵を安心して食べるには、どうしたらよいのでしょうか。

ちゃんと加熱してネ!ハイッ! 卵を調理する様子(イラスト)米国では今年5月以降、例年を上回るペースでサルモネラ菌による食中毒が発生し、これまでに2000人近くが発症しました。アイオワ州の二つの鶏卵業者が出荷した卵がサルモネラ菌に汚染されていたことが分かり、回収しました。鶏のえさに菌が混ざっていたらしく、回収対象の卵は約5億5000万個にのぼっています。

日本は養鶏場、流通過程とも衛生管理が比較的しっかり行われているため、心配はいらないようです。ただ、米国の事態を受けて、農水省は05年に策定した「鶏卵のサルモネラ総合対策指針」を再度、生産現場で徹底するよう日本養鶏協会に伝えました。

サルモネラ菌対策として有効な一つが、ワクチン接種です。不活化させたサルモネラ菌を鶏に注射し、体内に抗体をつくらせて菌を撃退します。日本養鶏協会によると、国内で流通する卵の約4〜5割は、ワクチン接種が行われた鶏が産んだものだといいます。

英国ではワクチン接種済みを表す赤いライオンのマークを付けた卵がある(イラスト)ただ、ワクチンを接種したかどうかは、食品表示からは分かりません。英国では、接種済みの卵のパックには、赤いライオンのマークをつける業界の取り決めがあり、8割以上に表示されています。日本では業界などのルールがなく、一部のブランド卵だけに接種されるなど、消費者には実態が分かりにくくなっています。

ある検査会社が全国の卵を調べたところ、「サルモネラ対策済み」と表示されながら、抗体が見つからなかったり、表示がなくてもワクチン接種が行われたとみられるケースもありました。消費者団体「食のコミュニケーション円卓会議」(東京)は「接種の表示は必要だが、表示さえあれば安全と思い込んでしまう恐れもある。効果のデータや、安全な食べ方を消費者に示してほしい」と話しています。

日本では、サルモネラ菌が原因の食中毒の発生件数(09年)が67件、患者数は1518人で、04年の225件、3788人の半数以下に減少しました。学校給食での食中毒防止などを指導する専門家は「食中毒が減っているのは衛生管理の意識が進んだためで、手を抜くとすぐに増える」と注意を促しています。

イヤーン 卵からサルモネラ菌が逃げる様子(イラスト)

大分県では7、8月に6件も立て続けに食中毒が発生しました。8月上旬には、同県九重町のホテルで合宿していた長崎県の県立高校生と職員の計206人が下痢などを訴え、卵料理が原因と見られています。大分県は今年9月、20回目の食中毒注意報を出し、「大量の卵を扱うホテルや飲食店は殺菌された液卵を使ったり、卵料理は十分に加熱してほしい」と呼び掛けました。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2010年10月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。