お役立ち情報/情報ものしり帖

風邪薬の上手な選び方は
「眠くならない」「1日2回」「のどの痛みに」。本格的な風邪のシーズンを迎え、ドラッグストアの風邪薬コーナーには数え切れないほどの商品が並び、さまざまな宣伝文句が目を引いています。

市販の風邪薬市場は1000億円規模で、一つのブランド名から何種類もの製品が出ていることも珍しくありません。症状や生活状況に合わせて選ぶことが大切です。

のど?あたま?はな?せき? 総合風邪薬(イラスト)風邪は医学的には「風邪症候群」と呼ばれ、鼻やのど、気管支などに急性の炎症が起こる病気です。8〜9割はウイルス感染が原因で、鼻風邪を起こすライノウイルス、のどの痛みを伴うアデノウイルスなどがあります。たいてい1週間ぐらいで自然に治りますが、肺炎や熱性けいれんを引き起こすこともあります。「風邪は万病の元」と言われるように、油断できません。

風邪薬は原因ウイルスに働くのではなく、さまざまな症状を和らげるものです。熱や痛みには解熱鎮痛成分のアセトアミノフェン、イブプロフェン、アスピリンが代表的です。くしゃみ、鼻水や鼻づまりに有効なのは、花粉症の治療にも使われる抗ヒスタミン成分です。せきやたんにはジヒドロコデインリン酸塩やメチルエフェドリンなどの成分が使われています。総合感冒薬と呼ばれるものには、こうした成分がまんべんなく含まれているので、のどの痛みやせきなど幅広い症状に効果があり、家庭の常備薬に向いています。

最近はこうした常備薬タイプだけでなく、特定の症状への効果を強調する「症状別」や「大人専用」(15歳以上)の市販薬も増えています。今秋はライオンが風邪薬市場に参入し、特に熱やのどの痛みへの効果を訴える大人用製品を発売しました。

ただし、症状別でも、幅広い症状に対応できるように配合されている薬が多いようです。のど、鼻、発熱の三つの症状別タイプを先駆けて発売した武田薬品工業は「鼻水から始まってのどが痛くなる場合もあるため、症状別タイプにもいろいろな成分が必要」(広報担当)と説明しています。

おやすみなさい。 寝付く様子(イラスト)改正薬事法で、風邪薬の多くは副作用などで注意を要する「第2類医薬品」に分類されています。例えば、睡眠改善薬の成分としても使われる抗ヒスタミンは眠気を起こすことがあり、高齢者では尿が出にくくなったり、口が渇くなどの副作用が表れやすいようです。大正製薬ではドライバーや高齢者の使いやすさを考慮し、抗ヒスタミン成分を配合しない製品も販売しています。

眠くなると困る人には、葛根湯などの漢方薬もあります。ただし、葛根湯は体の防御機能を高めて症状を改善させるため、風邪の引き始めに飲むことが大切です。

日本薬剤師会中央薬事情報センターの担当者は「風邪には休養が一番で、薬が必要とは限りません。せきが出て眠れないなど生活に支障があれば、一番困った症状に対応した成分のシンプルな薬を」とアドバイスしています。成分数が少ない方が副作用が出た際に原因を特定しやすく、必要のない成分を飲まずにすむ利点もあります。

風邪薬の添付文書にはよく、「5〜6回服用しても症状がよくならない場合」は服用を中止し、医師や薬剤師に相談する▽5日間を超えて服用しない——と記載されています。服用しても改善しなければ別の疾患の可能性もあり、医療機関を受診しましょう。

毎日新聞生活報道部

Copyright© 2003 - 2010 Kyoei Fire&Marine Insurance Co.,Ltd. All rights reserved
※掲載されている情報は2010年12月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。