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健康食品の誇大広告ストップ
健康食品のウソや誇大な広告について、行政や市民による監視の動きが強まっています。消費者庁が健康増進法の運用を厳格化し、昨年12月から事業者名の公表などの行政処分に踏み切る方針を示したほか、市民団体もインターネット上で一般から食品の通報情報を募るデータベースの運用を始めました。健康被害や取引トラブルが相次ぐ健康食品は変わるのでしょうか。

「薬ではないから問題ないと思っていた」。ネットで食品販売を行っている東京都内の男性は昨年12月、乾燥メカブの販売で「フコイダンいっぱい!ぬるぬるメカブでガン予防」という広告の表現を削除しました。ほぼ同じ表現をしていた別の業者に対し消費者庁が昨年春、法令違反と指導していたことを知ったためです。

わっすごい! ぬるぬるメガブでガン予防!! 広告を見る様子(イラスト)「ガン予防」に根拠はなく、「フコイダンいっぱい」も確認したわけではありませんでした。ネットの情報から「いい宣伝になる」と利用しただけでした。違法と知って改めましたが「どこの業者でもやっていること。自分だけ真面目に商売してたら負けてしまう」と、同様の表現がネット上にあふれていることに不満を漏らしています。

健康食品は薬事法、健康増進法、景品表示法など6つの法律で規制され、不適切な表示や広告は禁止されています。しかし、インターネットを中心に根拠があるかどうか分からない効能・効果をうたう商品があふれています。全国の消費生活センターには年間1万5000件前後の相談が寄せられ、減る気配もありません。

このため消費者庁は昨年12月、健康増進法の運用を強化し、事業者名公表を伴う勧告などの行政処分を積極的に発動していく方針を打ち出しました。あわせて、薬事法や景品表示法の担当省庁・部門などとも連携を深め、取り締まりを強化する方針です。ただ「不適切な広告はあまりに多いので、一罰百戒の効果を狙うしかないのが現状」(幹部)のようで、春までに違反になる表示例をまとめたガイドラインを示し、業者に自主的な適正化も促していきます。

果たして本当?広告内容を疑う様子(イラスト)消費者と事業者に向けたサイト「健康食品ナビ」を04年から運営している東京都は「食品事業は簡単に参入できるため、規制を知らない業者も多い」と、広告表現に警鐘を鳴らしてきました。東京都健康安全課は「消費者も安易に信用しないで、慎重に判断してほしい」と呼びかけています。

市民団体も広告表現の問題点を重視し、「食の安全・監視市民委員会」など10団体は昨年10月、食品に関する不適切な情報を収集する「食の安全・市民ホットライン」をネット上に設置しました。健康食品の誇大広告や、産地偽装や健康被害といった食品に関するあらゆる情報の提供を求めています。

不適切な情報を公開することで食の供給の健全化を図るのが狙いで、誰でも閲覧や書き込みができるのが特徴です。消費者が書き込んだ情報は、スタッフが商品名や事業者名を伏せて公開していますが、重大、緊急な場合には事業者名を公表することも検討しています。業者に直接警告したり、行政に指導を要請する方針で、既に複数の事業者に対して警告の準備を進めています。

代表の神山美智子弁護士は「国民に顔を向けた食品安全行政を実現し、企業倫理を健全に働かせるためには、消費者が中心になってチェックすることが重要で、情報が集まれば力になる」と情報提供を呼びかけています。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2011年1月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。