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車いすで使える福祉車両の最新事情
体が不自由でも車に乗って出かけたい。そんなニーズに応えるのが福祉車両です。最近は、スムーズに乗車できるタイプが出て、個人の利用も増えています。

福祉車両には、自分で運転する「自操式」と、乗せてもらう「介護式」があります。どんな使い心地なのか、トヨタの福祉車両の試乗会で、それぞれの特徴を見ました。

車いすに座ったまま乗り込める、介護式の車がありました。新型ラクティスの「車いす仕様車」です。旧型に比べ天井が高く、身長が180センチ程度あっても、頭が天井につっかえることはなさそうです。

車いすで、バックドアから車にのる様子(イラスト)乗り込む時は、補助する人が必要です。まず後部のドア近くにあるスイッチを押すと、車体が低くなります。車に格納してあるスロープを車外に引き出し、内側から2本のベルトを引いて車いすのフックにかけます。後退防止スイッチを作動させると、車いすを押す手が万一離れても、ずり落ちることはありません。

新型ラクティスは、車いす(横幅45センチまで)を後部座席に収容するため、乗車人数は最大4人となります。旧型から新型に乗り換えるという男性(36)は、「車いすの人にとっては、天井が低いと威圧感があるが、これは天井が高く、広さもたっぷり。コストや燃費を考えて決めた」と話していました。

自操式のラクティスもあり、スイッチ一つで、サーフボードのように車いすをルーフに積むことができます。トヨタの自操式は足が不自由な人向けで、アクセルもブレーキも、手で操ります。ハンドルは、通常の半分程度の力で回せるよう設計されています。夫婦で試乗会に訪れた千葉市の男性(36)は、「ハンドルが軽すぎて最初は戸惑ったが、慣れると楽ですね」と話していました。

福祉車両は、国内では年間3万5000台程度が販売されています。車社会の欧米は多くが自操式ですが、日本は介護式が圧倒的に多いそうです。長年、福祉車両にかかわっているトヨタの専門エンジニアは「昔は単なる移動手段ととらえられていましたが、最近は快適性が重視され、福祉車両の車種が増えてきました」と指摘しています。

ゆったり 車いすに乗ったまま車内に乗り込める(イラスト)日産の場合、福祉車両は用途に応じて大きく3タイプに分かれます。車の乗り降りが楽にできる「アンシャンテ」▽車いすに乗ったまま車内に乗り込める「チェアキャブ」▽足が不自由な人が、手だけで運転できる「ドライビングヘルパー」です。アンシャンテは主に家庭用、病院や福祉施設ではチェアキャブが多く使われています。

ホンダの特徴は、両腕が不自由な人向けの自操式の車があることです。「フランツシステム」と呼ばれるタイプで、レバーを足で押してバックさせるなど、障害の部位によってきめ細かな機能設定もできます。

福祉車両の価格は、一般車に比べかなり割高ですが、通常の製造ラインで造っているものもあり、数万円程度の上乗せですむものもあります。福祉車両の専門の展示場をもつメーカーもあり、実際に体感して決めたほうがいいようです。

優遇制度として、消費税・自動車税(軽自動車税)・自動車取得税が非課税や減免になる場合があります。消費税が非課税になるのは、厚生労働省が示す「介護車」の条件に適合している場合です。介護車とは、車いす(電動車いすを含む)を使用する人と車いすが一緒に移動できるよう、昇降装置を装備し、かつ車いすの固定などに必要な手段を施してあるものです。

自動車税・軽自動車税・自動車取得税は、一定以上の等級の身体障害者手帳の取得など条件を満たした場合、減免が受けられます。ただし都道府県(自動車税・自動車取得税)や市区町村(軽自動車税)によって減免の判断が異なるため、都道府県税事務所などで確認したほうがいいでしょう。

毎日新聞生活報道部

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