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創エネ住宅が開発されています
福島第1原発の事故で自然エネルギーへの関心が高まる中、新世代の家づくりが盛んになっています。太陽熱などで自宅の発電をまかない、余った分をためたり売ったりする「創エネ」タイプの家が開発されています。こうした次世代型住宅の可能性を探ってみました。

東京都葛飾区の住宅街の一角に、大きな窓とソーラーパネルの屋根が目を引く2階建て住宅があります。LIXIL住宅研究所アイフルホーム(東京都江東区)が昨年、省エネルギーの実験住宅として建設したものです。

太陽光発電・パレット暖炉・エコキュート(イラスト)玄関アプローチには、日中の光を蓄え夜に発光する蓄光磁器が敷かれ、外灯は必要ありません。広いダイニングには家全体の電力の使用状況が一目で分かる「スマートクロック」が置かれています。省エネ度が高い時には笑顔、低い時は困った顔になるキャラクターがモニターに現れ、楽しみながら節電ができます。

エネルギーとしては、ソーラーパネルで集めた太陽光で電気を作り出す「太陽光発電」▽太陽熱で水を温める「エコキュート」▽廃材や間伐材を燃料として使う「ペレット暖炉」が3本柱です。研究所の担当者は「これらの組み合わせで、家全体のエネルギーの130%をまかない、使わないエネルギーは売ることができる。余ったエネルギーをとっておく蓄電機能が備われば、雨や曇りの日も対応できる」と話しています。

この家では、風が効率良く取り込めるよう窓を配置しています。軒を深くすることによって夏の日をさえぎり、逆に冬は、低く入ってくる日光を取り込む工夫もされています。

太陽光発電は天気に左右されるので、他の安定したエネルギーと組み合わせることが必要です。同研究所のフィアスホーム(江東区)は、太陽光発電と地中熱の利用ができる家の販売を今春から始めました。

太陽光発電が普及した街(イラスト)地中熱は外気温に比べ変化が少なく、1年を通じ約15度を保っています。戸外に地下100メートルの穴を掘り、ヒートポンプで熱を取り込みます。夏は冷たく冬は暖かい熱を取り入れることで、通常のエアコンの3分の1程度の電気代ですみます。

建築費は33坪の家で地中熱エアコン4キロワットが2台、太陽光発電3.7キロワットがついて、約2300万円です。

大阪ガスと積水ハウスは今春から共同で3年間、「スマートエネルギーハウス」の居住実験を奈良県で実施しています。天然ガスを利用した発電(エネファーム)、太陽電池、蓄電池、電気自動車を組み合わせた家で、実際に家族が住み、エネルギー効率や住み心地を調べています。積水ハウス環境推進部は、自分で使う分のエネルギーを自ら作り出せるような住宅が将来、増えてくると予測しています。

環境・エネルギー問題に詳しい専門家は、各家庭での創エネルギーを基本とした、小地域による分散型発電の時代が来るとみています。自家発電で余った電気を地域内でやりとりもでき、災害時も困ることがないことから、「いくつかの自然エネルギーを利用し、電池機能を持たせれば、各家でエネルギーの自立が可能になる。吸湿素材の壁や風をうまく取り入れ、断熱気密を高くすることで、快適な暮らしが実現するだろう」と話しています。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2011年7月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。