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NPOへ寄付を気軽に
国が認定したNPO法人(特定非営利活動法人)に寄付すると、約40%相当額が所得税から差し引かれる新たな制度が導入され、今年1月以降の寄付から適用になります。寄付文化が希薄と言われてきた日本ですが、昨年末からの「タイガーマスク運動」や東日本大震災を機に、善意の行為は広がっています。寄付者のメリットが増した新しい寄付税制を紹介します。

寄付の方法は・・・? 悩む様子(イラスト)NPOを巡る税制改正は09年の政権交代後から検討が進められ、税制改正法と改正NPO法が今年6月に成立しました。寄付者のメリットを高めることで、経済基盤が弱いNPO法人への寄付を促すのが狙いです。NPO法人が政府機関に代わる公共サービスの担い手となることを期待しています。

寄付に伴う所得税の特別控除は01年から実施されていますが、今回の税制改正のポイントは「税額控除」の導入です。2000円を超える分の寄付金の40%相当額が、所得税から引かれます。寄付金の実質的な負担額が、約6割で済むことになります。

従来は「所得控除」だけでしたが、今後はどちらか有利な方式を選べます。「所得控除」が所得税率によって減額分が変わるのに対し、「税額控除」は所得税率に関係なく寄付額に応じて決まるのが特徴です。所得税率が低い中・低所得者は、税額控除の方がメリットが大きくなります。逆に、所得税率が高い高額所得者が多額の寄付をする場合は「所得控除」の方が得になります。

40年以上前からユニセフや「国境なき医師団」などに寄付してきた東京都世田谷区の女性(68)は「この法律改正を待っていました」と話しています。高校時代から「持っているものはみんなと分かち合う」という考えで育ち、コンサルタント会社に勤めながら毎年数十万円を寄付してきました。退職後も、翻訳などの収入から年約20万円を寄付に回しています。この女性は「控除された分は地道に頑張ってきた目立たないNPO法人に寄付したい。法改正は人々の寄付意欲をかきたてる。友人にも教えたい」と声を弾ませています。

NPOのイメージ(イラスト)

法改正を訴えてきたNPO法人「シーズ・市民活動を支える制度をつくる会」の松原明副代表は「自分の寄付金の半分近くを税金が手当てしてくれ、寄付の価値が2倍になる画期的な改正。税金の使い道の一部を自分で選べるため、政治参加にもなる」と話しています。

税額控除の対象は、国税庁に認定された「認定NPO法人」への寄付であることが必要です。ただし、認定NPO法人は全国に223団体(1日現在)しかなく、全NPO法人約4万2500団体の約0.5%に過ぎません。認定NPO法人の半数近くは東京に集中し、「空白県」も10県以上あります。

東日本大震災関連で、日本赤十字社や中央共同募金会、被災自治体や公益法人に寄付した場合も税額控除の特例があります。

申請するには、寄付後に認定NPO法人から送られてくる寄付の受領証や、認定NPO法人と証明する書類を、確定申告の際に提出します。納税者名義の受領証が必要です。振り込み証明書で代替できる場合もあり、国税庁のウェブサイトで確定申告の手続きが紹介されています。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2011年8月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。