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出産後に夫婦愛が薄れていませんか?

幼い子どもを持つ夫婦間で、産後、妻の愛情は夫の愛情に比べて減り幅が大きく、特に生後1年以内に急激に薄れていることが、ベネッセ次世代育成研究所の調査で分かりました。乳児を持つ父親の長時間労働も顕著で、厳しい労働環境が家族関係に影響を与えていることがうかがえます。

調査は06〜10年、夫婦288組を対象に、第1子妊娠中から2歳になるまでの間、年1回継続して行いました。

「違和感?」夫婦と子供の様子(イラスト)第1子の妊娠中は「配偶者といると本当に愛していると実感する」割合が夫、妻とも74%で並びました。ところが、子どもを出産後(0歳児期)では妻は46%に激減しました。夫の方は64%で妊娠中より10ポイント減だったのに対し、妻は28ポイント減という結果でした。

その後は夫婦とも同じように減っていき、0歳時に開いた差が埋まらないまま、2歳の時点で配偶者に愛情を感じるのは夫の2人に1人、妻は3人に1人にとどまりました。

妻の愛情と相関が見られたのは、夫は「家事、仕事、育児をよくねぎらってくれる」「家族と一緒に過ごす時間を努力して作っている」という質問でした。妊娠中・0歳児期ともに「夫を愛している」妻のうち72%は「夫はよくねぎらってくれる」と感じていましたが、0歳児期に愛情を感じなくなった妻ではその割合は26%でした。

夫婦に愛情の差が生まれる理由について、お茶の水女子大学の菅原ますみ教授は「夫婦が少子化時代に生まれ、子どもを身近に見ずに育って子育てのスキルが低下しているため育児の負担が大きい。都市化で支援も少なく、妻が最も負担を分かち合ってほしい夫に失望を募らせているのではないか」と分析しています。

子供を挟んでお互いにストレスがたまっている夫婦の様子(イラスト)

夫の1日の平均実働時間は、妊娠中から子どもが2歳になるまでのいずれも、11時間以上が3〜4割に上ります。10時間以上だと6割前後です。これには通勤時間は含まれていないことから、家事や育児に関わるのが困難なことが推測されます。

NPO法人「ファザーリング・ジャパン」の安藤哲也代表理事は「両立できないほど労働時間が長いとの悩みはよく聞く。今は男も育児に関わるべきだとパパも思っているし、ママの期待もある。理想と現実のギャップにパパは苦しみ、夫婦ともストレスがたまる」と話しています。

夫に不満を抱かないようにして、妻が夫に無関心となるのでは――と安藤さんはみています。「ワークシェアを導入して、時間と所得の再配分が必要。人間らしい暮らしを取り戻せるよう経済界は真剣に考えてほしい。この調査は、皆が不幸になっている社会状況を表しているのでは」と問題提起しています。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2012年3月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。