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福祉トイレカーが活躍してます

非常時に全国どこへでも駆けつけるトイレ付きトラック「福祉バイオトイレカー」をご存じでしょうか。車いすでも利用できるため、障害者や高齢者の行動範囲拡大に役立つほか、災害時にも活躍しています。運営団体のNPO「やさしくなろうよ」(品田直子理事長、神奈川県海老名市)は「イベントにも活用して」と呼びかけています。

トイレカーを開発したのは海老名市内の警備会社です。もともとは、請け負った道路工事の警備の際、社員用に移動式トイレを確保する目的で開発されました。おがくずで便を分解・処理できるバイオトイレを荷台コンテナに設置したトラックを考案し、4年前から使い始めました。便は機械でかくはんされ、加熱・発酵で分解されます。

トイレがなぁ・・・コンサート会場で悩む障害者の様子(イラスト)

やがて、障害者や高齢者でも使えるように改良すれば、活用範囲が広がるのではと、車いすを持ち上げるリフトを付けるなどの改良を重ね、新たに3台を製作しました。障害者が参加するイベントに持っていったところ、大好評でした。「もっと福祉に活用しよう」。昨年1月、警備会社社長の長女の品田さんが中心となり、NPOを結成しました。

トイレカーは現在、1.5〜3トンまで計5台あります。2基の洋式トイレのほか、シャワー室や授乳、着替え用の荷台を備えたトラックもあり、電源は屋根の太陽光パネルで賄います。

レンタル料金はトラックの型や曜日によって異なりますが、1日あたり約5万〜10万円で、ヘルパー2級や介助士資格を持ったスタッフが同行し、安全に使用できます。

障害者の期待は大きいようです。車いすで全国へコンサート活動に行く声楽家の男性は、脊髄(せきずい)損傷で首から下が動きません。コンサートの時はトイレを使わずに済むよう、1〜2日前から何も食べないといいます。花火など屋外のイベントを見に行きたくても、トイレが心配で行けないそうです。「福祉トイレカーが全国に普及すれば、障害者の行動範囲は格段に広がる」。男性は各自治体に1台のトイレカー普及を期待しています。

福祉トイレカー(イラスト)

障害者だけではありません。NPOの結成2カ月後に発生した東日本大震災では、スタッフが3台のトイレカーに乗り込み、宮城県石巻市の避難所へ向かいました。健常者も含め、トイレ不足に悩む被災者のためフル稼働しました。

車の製造費用は1台あたり1200万円以上かかり、赤字続きとのことですが、品田さんは「利用者の声を取り入れ、さらに使いやすく改良したい」と話しています。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2012年6月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。