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ポット、テレビ、携帯……家電で高齢者を見守り

1人暮らしの高齢者が自宅のポットでお湯をわかしたり、テレビを操作したりすると、離れて暮らす家族や地域の支援者にその情報が届く――。そんな家電が増えています。緩いつながりで日常の様子を見守ることができるのが特徴。孤独死対策を含め、高齢者の「見守り」のあり方を模索する自治体などの注目も集めています。

「毎朝6時に電源を入れて、夜9時に切るのが習慣。みんなが心配するからね」

東京都豊島区の女性(93)宅は、食卓の横が電気ポットの指定席。何気ないポットだが、実は無線通信機を内蔵しています。

ポットから使用状況をメールでお知らせする様子(イラスト)象印マホービンの「iポット」。女性が給湯した時刻などを1日2回、メールで利用者の家族に知らせている。ポットについている「おでかけボタン」を押せば、外出時刻を知らせることも可能。専用ホームページが用意され、利用者ごとの1週間分のデータをいつでもグラフで見られます。利用料は月額3150円です。

山梨県で暮らす次男(67)は月に1回、女性の様子を見に来ますが、「毎日のメールで安心できる」と言います。

女性が住む地域の市民団体「おたすけクラブ」は、ポットを使った高齢者の見守り活動を長年続けています。ボランティア7人が交代で、女性らの利用状況をパソコンで確認。給湯していないなどの異変があれば、電話や訪問をします。

クラブの副代表は「その人の生活パターンが一目で分かる。『見回りに来てもらうのは煩わしい』という人の安否確認にも良いシステムだと思う」。1人暮らしの高齢者が、夜間に何回も給湯していたことに気づいて医師に訪問を依頼し、病気が分かったこともありました。

シャープは昨春から、インターネットに接続できる液晶テレビに無料の見守りサービスをつけました。電源が入った時や24時間操作がなかった時に、家族にメールが届きます。埼玉県北本市がこのサービスを応用し高齢者の安否確認に役立つかどうかを実験しました。

見守り携帯のイメージ(イラスト)「見守り携帯」も相次ぎ登場。NTTドコモは昨年、高齢者向け機種「らくらくホン」の一部に、電話機の開閉や歩数計の歩数を家族に知らせるサービス(月額使用料105円〜)を始めました。神奈川県の座間市社会福祉協議会は地域での見守りに試用。自治会や見守りボランティアの負担感の軽減につながったといいます。

KDDI(au)の「ミルック」(月額利用料1095円〜)は歩数計型。外出時は歩数計が、自宅では充電用の卓上ホルダーに付いたセンサーが、利用者の動きをメールで知らせます。緊急ブザーを備え、通話も可能です。

北海道の室蘭市社会福祉協議会は今年、独居の高齢者らにこの歩数計の貸し出しを始めました。家族が異変を感じたら、民生委員や近所の人に様子を見に行ってもらいます。

担当者は「隣人だけで見守るには覚悟がいる。機器を導入することで、離れていても家族のかかわりを作りたい」と話しています。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2012年10月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。