お役立ち情報/情報ものしり帖

コーヒー:肌のシミ防止効果 ポリフェノール、活性酸素抑え

コーヒーは健康によいのでしょうか、悪いのでしょうか――。カフェインを含むせいか、「胃に悪い」「健康によくない」といったイメージがつきまといますが、肌のシミ防止や糖尿病の発症予防などに一定の効果があることが分かってきました。

コーヒーの摂取量とシミの関係を調べたのは、近藤和雄・お茶の水女子大大学院教授(臨床栄養学)らです。2年前、30〜60歳の女性131人を対象にコーヒーの摂取量と顔のシミ、肌の潤い、弾力性の関係を調査しました。1日に2杯以上のコーヒーを飲む人はそれ以下の人に比べて、シミが少ないという結果を得ました。追跡研究をしている近藤教授は「コーヒーを多く飲む女性のほうが確実にシミの発生が少ない」と強調しています。

どうぞ! コーヒーを受け取る様子(イラスト)シミやしわ、たるみなどは、皮膚に紫外線が当たり、細胞の遺伝子が傷つくことでできます。シミは本来、紫外線から皮膚を守る黒褐色の色素成分「メラニン」の増加が原因です。メラニンは紫外線を受けて細胞内や細胞膜で生じる活性酸素でも増えます。このため、シミ対策の基本は紫外線をできるだけ皮膚に当てないことですが、活性酸素の作用を抑える抗酸化物質を摂取することでも、肌を守ることができます。

代表的な抗酸化食品がポリフェノール。これは、植物が紫外線や乾燥などから身を守るために作り出す物質で、お茶に含まれるカテキン類▽大豆に含まれるイソフラボン類▽カシスやブルーベリーに含まれる色素のアントシアニン類▽コーヒーに含まれるクロロゲン酸――などがポリフェノールの仲間です。

近藤教授らは、首都圏の女性109人の食事から、どの食品からどのぐらいポリフェノールを取っているかも調べました。約8割は飲料からポリフェノールを取っており、全摂取量の約半分がコーヒーでした。

コーヒーは1杯当たり200ミリグラム前後のポリフェノールを含みます。1日に何杯飲むのが適正か分かっていませんが、近藤教授は「ポリフェノールは他の食品からも摂取するため1日2〜3杯程度」と話しています。

肌と紫外線の関係を研究している市橋正光・神戸大学名誉教授(再生未来クリニック神戸院長)も「抗酸化食品の摂取は活性酸素の除去につながり、肌のシミ防止につながる」とシミ予防に抗酸化食品の摂取を勧めます。

ああ、この香り コーヒーを飲んでいる様子(イラスト)糖尿病との関連も国内外の研究で分かってきました。オランダやフィンランドの疫学研究によると、コーヒーを飲む回数が多い人ほど、生活習慣と関係が深い「2型糖尿病」にかかる率が低いことが分かりました。

日本でも古野純典(このすみのり)・九州大学医学部教授らが男性の自衛官約4700人を調べたところ、1日に1〜2杯飲むだけでも2型糖尿病の発症率が下がり、5杯以上飲む人は、飲まない人に比べて約4割も低かったのです。古野さんは「世界のコホート(集団)研究を見る限り、コーヒーが2型糖尿病の発症を抑えることはほぼ間違いない」と話しています。

一方で、コーヒーは胃酸の分泌を促すため、飲み過ぎると胃腸の疾患がある患者への影響が心配です。しかし、東京大学医学部付属病院の山道信毅(のぶたけ)医師(消化器内科)が、胃腸疾患で多い胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃食道逆流症(代表的疾患は逆流性食道炎)とコーヒーの摂取量の関係について国内外の文献を解析したところ、明らかな相関関係はありませんでした。コーヒーを1日に5杯飲むという山道さんは「コーヒーのカフェインが胃酸の分泌を増やすのは事実だが、胃潰瘍と十二指腸潰瘍と関係があったのはピロリ菌や喫煙で、胃腸疾患との関連はなかった」と分析しています。

ただし、妊婦が飲み過ぎると胎児に影響したり、肝機能の働きがよくない人は高血圧のリスクも報告されたりしており、カフェインのとり過ぎには注意が必要です。

毎日新聞生活報道部

Copyright© 2003 - 2012 Kyoei Fire&Marine Insurance Co.,Ltd. All rights reserved
※掲載されている情報は2012年12月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。