お役立ち情報/情報ものしり帖

意外に冬場に多い脱水症状 こまめに水分摂取、心がけ

お肌が乾燥する季節。専門家によると、冬は湿度が低下するため、体の水分も失われがちだといいます。流行中のノロウイルスやインフルエンザも脱水症状を起こしやすいのです。夏だけではない「脱水」への対処法は――。

「『おなかの風邪』と言われる感染性胃腸炎やインフルエンザは、冬場の脱水に大きく関係します」。兵庫医科大の服部益治教授(小児科)は説明します。

いてて 痛いよ お腹を押さえる様子(イラスト)猛威をふるっている感染性胃腸炎はノロウイルスが主な原因で、腹痛のほか、下痢や嘔吐(おうと)を引き起こします。2歳までの乳幼児に多いロタウイルスも、同様の症状が起きます。

人間の体の約60%は水分(体液)。酸素や栄養素を運び、老廃物を排泄(はいせつ)するなど、重要な働きをしています。

下痢や嘔吐を繰り返すと、水分だけでなく、ナトリウム(塩分)やカリウムなどの電解質(でんかいしつ)も失われます。インフルエンザによる発熱で汗をかいても同じです。服部教授は「水だけ飲んでいても、脱水状態は改善しない。体の中の電解質が薄まってしまい、むしろ悪循環になる」と話します。

医療現場では、脱水症には点滴で水分と電解質を補います。点滴と同じように素早く体内に水分と電解質を補給できるのが「経口補水液」と呼ばれる飲み物です。

経口補水液は薬局で販売されていますが、家庭でも作れるといいます。体液管理に詳しい神奈川県立保健福祉大の谷口英喜教授によりますと、水に塩分と糖分を一定の割合で混ぜると、体に吸収されやすくなります。

材料は、砂糖20〜40c▽塩3c▽水1g▽レモン半分程度。谷口教授は「水には砂糖を先に入れた方が作りやすい。レモンを加えると、甘みが抑えられて飲みやすくなる」と話します。

脱水の状態にもよりますが、大人は1日あたり0.5〜1g程度、幼児で0.3〜0.6g程度を少しずつ飲みます。子どもの場合は一気に飲まないようにペットボトルのキャップやスプーンなどを使うとよいです。

経口補水液を飲む様子(イラスト)脱水時には、お茶やコーヒーなどカフェインを含む飲み物は、利尿作用があるため控えましょう。スポーツドリンクは、100ミリリットル当たりナトリウム40〜80_c程度を含んでいれば、水分や電解質の補給効果があるといいます。

脱水を起こすのは、下痢や嘔吐だけではありません。冬は暖房器具を使うため、室内が乾燥して皮膚などから水分が失われる一方、飲み物の摂取量は減りがち。脱水の恐れは意外と身近なものです。

「体の水分が不足すると、血液が粘って血管が詰まりやすくなり、脳梗塞(のうこうそく)や心筋梗塞のリスクを高める」と服部教授。手の皮膚がカサカサ▽口の中の唾液が減って粘る▽体がだるい――などは、冬の脱水のサインだといいます。

日常生活で脱水を予防するにはどうしたらいいのでしょうか。谷口教授は「朝起きてすぐ、食事のたびに、寝る前など、1日8回程度、意識的に水分摂取することを心がけてほしい」と話います。ただ、健康な人が脱水予防のために経口補水液を飲む意味はないといいます。

白十字訪問看護ステーションの秋山正子・統括所長は「高齢者の場合、食事の量が減って水分が不足している場合もあるので、食事の量も気にかけてほしい。尿が濃くなったり、手の甲をつまんで山の形が残れば脱水の恐れがあります」と話していいます。

毎日新聞生活報道部

Copyright© 2003 - 2013 Kyoei Fire&Marine Insurance Co.,Ltd. All rights reserved
※掲載されている情報は2013年2月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。