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まかない料理が好評 高級レストランで厨房見学などの体験も ツアーは高倍率

普段はちょっと手が届かない有名レストランで、気軽にご飯を食べてみたい――。高級レストランの料理人が自分たちの食事のために作っている「まかない料理」を無料で食べることができるツアーが人気です。倍率が500倍を超えた話題のツアーの秘密を探りました。

平日の午後4時。東京・銀座のフレンチレストラン「ラール・エ・ラ・マニエール」に、ツアー参加者の男女10人が次々と集まります。オーナーでソムリエの吉岡慶篤さん(38)らスタッフが、バラの花が飾られたテーブルに案内します。

まかない料理ツアーの様子(イラスト)同店は09年9月にオープン。グルメサイトによりますと、夜の平均予算は「1万円〜」という高級店です。この日のまかないメニューは、トマトで煮込んだイカとジャガイモのサラダ、キノコライスの3品を一皿に盛ったワンプレート料理です。

吉岡さんと料理長も参加者と一緒にテーブルを囲み、食事が始まりましたが、参加者は心なしか硬い表情です。吉岡さんが「せっかくの料理を楽しめなくなるのでリラックスしてください」と優しく声をかけました。杉浦さんが「まかないにはフランスの家庭料理を出すことが多い。『フランス人は普段こういう食事をしているんだな』と想像しながら召し上がってください」と語りかけると、参加者の緊張も徐々にほぐれ始めました。

川崎市中原区の女性会社員(30)は「一皿でイカやキノコなどいろんな種類の食材を楽しめて、すごくおいしい」と感激した様子。参加者の男性会社員(44)が「学生時代に飲食店でアルバイトをしていたが、まかない作りに失敗して料理長にものすごく怒られた」と失敗談を明かすと、テーブルは笑いに包まれました。杉浦さんは「まかないはスタッフにとって修業の場なんですよ」と説明。他の参加者からも「ワインや料理の修業はどこでしたの?」などと質問が飛び出し、和気あいあいと食事は進みました。

料理を食べ終えた後は厨房(ちゅうぼう)見学です。オーブンや冷蔵庫、調理器具などが効率よく配置された調理場に、参加者たちは感心しきりです。最後にデザートを試食し、「自宅でもプロの味が再現できるように」とまかない料理のレシピがプレゼントされました。

高級店のキッチンの様子(イラスト)

参加者からは「高級店の裏側を見せてもらい、貴重な経験ができた」「オーナーやシェフと気軽に話せて楽しかった」と、料理だけでなくツアー内容全体への満足の声が上がりました。吉岡さんは「普段は経験できないことを楽しんでいただこうと思い、ツアー開催を決めた。お客様の率直な意見をうかがえて良かった」と手応えを感じていました。

まかないツアーを企画したのは、クーポン販売サイト運営会社「ルクサ」(東京都渋谷区)。昨年9月から計5回開催し、いずれも好評だったことから、ルクサは新たなツアーの開催を計画中です。同社の広報担当は「参加者は普段食べることのできない料理を食べることができ、参加飲食店は高いPR効果を期待できる」と話しています。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2013年2月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。