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孫への教育資金贈与制度 上手に活用するには

祖父母が孫やひ孫に将来の教育資金をまとめて渡す際、孫1人あたり1500万円まで贈与税が非課税になる制度が、2015年末までの期間限定で始まりました。制度の上手な利用の仕方や、注意点をまとめました。

これまでも、孫の教育費や生活費を個別に直接払う分には贈与税はかかりませんでしたが、今回の制度は「まとめて1500万円以内」でも非課税にできるのが特徴。生まれたばかりの孫が将来高校や大学に進学する時に困らないよう、まとめてお金を渡すなどのケースで活用できそうです。

この子が大きくなったら・・・祖父母と孫のイメージ(イラスト)●信託銀行に口座を

制度を利用するには、金融機関に信託用の口座を作り、信託契約を結ぶ必要があります。

口座開設について、あるファイナンシャルプランナーは「信託業務に慣れている信託銀行がお勧め」と語ります。

各大手信託銀行は「教育資金贈与信託」を設けており、管理手数料はいずれも無料。ただ、手続きには贈与する側、される側双方の印鑑、関係を示す戸籍謄本などが必要です。

払い出しする時は、口座のある金融機関に、学校などからの領収書を提出します。教育目的に使ったと証明するためです。基本は立て替え払いですが、前払いに対応している信託銀行もあります。

払い出しの手数料の額や前払いの可否、手続きが郵送でできるかどうかなど、サービスは金融機関によって違いがあります。口座開設の前によく確認し、自分たち家族に合った金融機関を選びましょう。

学校の入学金や授業料以外でも、500万円までなら、塾や習い事、スポーツ教室などのお稽古(けいこ)代に使うことも認められます。三菱UFJ信託銀行によると、残額は銀行側で計算してくれます。

●30歳まで使える

利用できるのは、孫が30歳になるまで。それまでに使い切らなければ、残額に贈与税がかかります。贈与税は相続税に比べ控除額が小さく、税率も高いので、注意が必要です。

ファイナンシャルプランナーを訪れる祖父母の様子(イラスト)もう一つ注意したいのは、祖父母が将来、自分の生活費が足りなくなっても、お金は取り戻せないこと。プランナーは「自分の病気やけが、ついのすみかを想定した資金を確保した上で、信託する額を検討してほしい」とアドバイスします。「一度に信託しなくても、15年末までの期間中なら積み増しも可能です」

そもそもこの制度、一体どんな人に向いているのでしょうか。プランナーは「孫が小さく、若い両親の年収が低い家庭」を挙げます。孫が幼児なら、今後かかる教育費はざっと1000万円にもなるからです。

逆に、祖父母が健在で「後は大学の学費だけ」など、必要な教育費の先行きが見える場合は、今回の制度を使わずに、直接学費を払ってあげた方が、手続きも楽です。

●住宅の方が有利?

あまり知られていませんが、贈与税を払わずに子どもや孫の経済的支援をする方法は、他にもあります。

例えば、孫1人につき年間110万円以下を贈与する場合は非課税です。子どもや孫が自宅を購入する際に資金を贈与する場合も、現在は最大1200万円までは税金がかかりません。

プランナーは「人生でお金がかかるのは教育と家と老後。住宅ローンは額が大きく、利子負担も重い。教育費の援助も大きいですが、使い道や年齢に制限があり、住宅の方が助かる場合もあります」と話しています。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2013年7月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。