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和も洋も 昆布水でコクアップ

刻んだ昆布を水に漬けるだけで手軽にできる万能だし「昆布水」が人気を呼んでいます。大阪市北区の昆布問屋「天満大阪昆布」3代目主人で、「昆布水のごちそうレシピ12カ月」(KADOKAWA)などの著書がある喜多條清光(きたじょうきよみつ)さん(62)に、作り方やレシピを教わりました。

昆布?子供が昆布水をみている様子(イラスト)●戦後に流通量激減

ミネラルをたっぷり含み、生活習慣病の予防やダイエットにも効果がある健康食材・昆布。和食に欠かせない存在ですが、家庭では「だしの取り方が難しい」と敬遠されがちです。

日本昆布協会によると、昆布は戦前には約9万トンが流通していたが、戦後は安価な化学調味料に押され、喜多條さんが3代目主人になった1971年には、約3万トンと3分の1に減少。さらに2011年には1万6000トンにまで激減してしまいました。

中でも、特に売れていなかったのがだし用昆布でした。「もっと簡単に昆布だしを取れる方法はないか」。在庫の山を見ながら喜多條さんが考案したのが、昆布水でした。

●2週間は保存可能

作り方は簡単。昆布10グラムを1ミリ幅に刻み、1リットルの水に入れるだけです。3時間、できれば一晩、冷蔵庫に置いておくだけで完成します。昆布のうまみ成分が凝縮されているため、どんな料理に使ってもコクが出て、まろやかな味に仕上がるといいます。

材料の昆布は「だし用」と書いてあるものを使います。煮物用や食用の昆布は不向きです。

コツは昆布をなるべく細く切ること。断面が増えることで、昆布のエキスが出やすくなります。先に水に3分ほどつけて、軟らかくなったものをハサミで切ると切りやすくなります。

昆布だしのトマトピラフ(イラスト)出来上がった昆布水は、冷蔵庫で保存すれば10〜14日間はもちます。だしがらの昆布はもう一度昆布水作りに使えますので、経済的です。

「昆布水は、和洋中どんな料理にも合うのが特徴です。ご飯を炊く時に使ったり、みそ汁やスープ、煮物やお鍋にも使えます。手軽にうまみがアップしますよ」と喜多條さん。お薦めレシピは、トマトの色鮮やかさが際立つ「トマトピラフ」です。トマトと昆布の抜群の相性を実感できます。寒さが身に染みるこの季節には、昆布と野菜のうまみで体が温まるポトフもお薦めだといいます。

●最後は調味料に

2度昆布水をとった後の昆布も、無駄なく味わいましょう。昆布の水気を切ってから、オリーブオイル(150ミリリットル)に漬けたり、みそ(150ミリリットル)に漬けたりすると、調味料として楽しむことができます。

「昆布水はだしがらも有効活用するので、昆布を無駄にすることなく、丸ごと堪能できますよ」と喜多條さん。「おいしくて、健康で、エコロジー。そんな昆布の魅力をもっと手軽に堪能してみて」と話しています。

◇昆布水

<主な材料>
 昆布10グラム、水1リットル
<作り方>
<1>昆布10グラムをハサミで1〜2ミリ幅に切る。
<2>1リットルの水が入ったポットに(1)の昆布を入れる。

◇トマトピラフ

<主な材料>(2人分)
昆布水180cc、オリーブオイルに漬けた昆布小さじ1強、米1合、ミニトマト10個、おろしにんにく小さじ1/4、タマネギ(みじん切り)50グラム、シソなどの薬味少々、塩小さじ1/2、コショウ少々

<作り方>
<1>米は洗って30分ザルにあげておく。ミニトマトは、ヘタを取り洗う。
<2>鍋でオリーブオイル昆布、にんにく、タマネギを合わせ、炒める。
<3>にんにくのいい香りがしてきたら、米と塩、コショウを加えて、米が透き通るまで炒める。
<4>炊飯器に(3)を入れ、昆布水とミニトマトを加え、急速炊飯で炊く。
<5>炊き上がったら全体を混ぜ合わせ、薬味をかける。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2014年2月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。