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被害急増 越境ネット通販

インターネットで日本の業者に商品を注文したら、外国から粗悪品が届いた――。こうした国境をまたいだ「越境取引」に関する消費者トラブルの相談が増えています。悪質業者の手口は巧妙で、被害は回復しにくいのが現状です。トラブルに巻き込まれないよう自衛することが大切です。

おうぅ!やっ安い!!通販サイトを閲覧する様子(イラスト)●実態は外国の業者

越境取引のトラブルの特徴の一つは、消費者が日本の業者に注文したつもりでいたのに、実際は外国の業者に注文しているケースが少なくないことです。

岐阜県高山市の30代の男性は2012年11月、欲しかったドイツの有名メーカーのスニーカーを通信販売しているサイトを見つけました。サイトを運営する会社の所在地表記は東京とあり、価格は定価1万5000円に対して8000円だった。男性は注文しました。指定された口座は日本の金融機関だったが、口座名は外国人名でした。8000円を振り込んだといいます。

ところが、業者から送られてきた連絡メールの文章は「到着まで、10日くらいにかかります」など、日本語の使い方が不自然でした。気になって所在地を地図で調べると、該当箇所は大きな工場で、運営会社はありませんでした。結局、商品は届かず、返金に応じてもらえないまま、サイトが閉鎖されてしまいました。

消費者庁の外国取引トラブル相談専門窓口「越境消費者センター(CCJ)」によると、12年に1997件だった相談件数は、13年には4215件と急増しています。詐欺の疑い▽偽物が届いた▽商品が届かない▽解約できない――との相談が多く寄せられています。

トラブルを避けるため、消費者庁は不審なサイトを見分ける四つのポイントを公表しています(表)。

業者の所在地として、聞いたことのある地名が表記されていても、番地がなかったり、架空の地番だったりすることもあるといいます。所在地を地図検索するよう心掛けましょう。また同庁は、これまでに模倣品の販売が確認されたり疑われたりするウェブサイトのリストを同庁のサイト(http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/140328adjustments_1.pdf)で公表。現在は80のサイトが掲載されており、随時更新されています。

もしかして騙された?パソコンの前で落胆している(イラスト)●支払い停止も可能

代金を支払ってしまった場合、取り返す方法はあるのでしょうか。

まず、銀行振り込みの場合は、警察に被害届を出し、金融機関に口座凍結を求めましょう。ただし、凍結できても大半は業者の口座にお金が残っていないため、返金は期待しにくいという面があります。

クレジットカード払いなら、銀行振り込みよりも取り返せる可能性が高いといいます。CCJによると、相談のうち、12年度はクレジットカード払いの28件で、お金を取り戻せました。CCJなどによると、クレジットカード決済し、偽物が届いたり、商品が届かなかったりする場合、必要なことは、まずは自分で店に連絡をし、返金などの対応を求めることといいます。それでも適切な対応をしてもらえない場合、クレジットカードの発行会社に支払いの停止を求めることになります。

カード発行会社の多くは、商品が届かなかったり、偽物が届くなど買った商品と違ったりする場合、支払いを停止することを会員規約で決めています。消費生活センターに相談しながら、取引の詳細を書いた書面を提出し、交渉しましよう。カード発行会社が調査し、規約に基づいて支払いを停止し、お金が引き落とされずに済むことがあります。

◇模倣品販売の恐れのあるサイトの主な特徴
・連絡手段がメールだけだったり、運営者の氏名や所在地、電話番号が不正確
・サイトやメールの日本語の表現が不自然
・正規販売店の価格より、極端に値引きされている
・支払い方法が銀行振り込みだけで、クレジットカードを使えない
 (消費者庁の公表資料より)

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2014年5月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。