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緑のカーテンで涼も味も

暑さが日々増し、夏支度の季節を迎えました。ベランダなどにツル性の植物をはわせる「緑のカーテン」を準備するには絶好の時季です。今年は、緑陰効果だけでなく、見て楽しみ、収穫の喜びも味わえる、ひと味違った植栽で、夏の窓辺を涼しげに彩ってみませんか。

●メロンの苗完売

緑のカーテンといえば、ゴーヤー(ニガウリ)やヘチマ、アサガオなどが定番。だが、昨年、隠れたヒット商品となったのが、種苗大手「サカタのタネ」(横浜市)が家庭菜園用に発売したネットメロンの苗「ころたん」です。2年前に全国発売しましたが、育てやすさが口コミなどで広がり、昨年は鉢植えの苗(1鉢500円前後)を数十万鉢売り出したところ、あっという間に完売しました。

わー名前がついてる ミニメロンを手に取る子供の様子(イラスト)

やや小ぶりだが、れっきとしたネットメロン。小さい割には果肉が多く、糖度は約15度と通常のメロンとほぼ同じです。メロン栽培は難しいイメージがありますが、同社によると、葉の表面がカビのように白くなる「ウドンコ病」などの病気にも強く、収穫時期になるとヘタにヒビが入るため、収穫の見極めも簡単だといいます。

千葉県佐倉市の女性(68)は昨年4月下旬、ホームセンターで高さ10センチほどに育ったネットメロンの苗4株を買い、ネットを張った2個のコンテナに2株ずつ植えました。寒さに弱いため、6月上旬までは寒い夜間はビニールで苗を覆ったといいます。

園芸雑誌に載っていた育て方を参考に、葉が6〜7枚伸びたら、一番高いツル(親ヅル)の茎を切り、茎が左右に伸びるようにしました。6月に花が咲くと、花の上にある柱頭(雌しべ)に雄花の花粉をつける授粉作業を行いました。

女性は「8〜9月に約20個も実り、びっくりした」と話します。「網の目模様が出始める頃、とがった竹串の先で果肉を傷つけないよう表面に孫の名前を掘ったら、収穫前に名前が浮き上がり、孫にも喜ばれた」と語ります。

●多種を組み合わせ

栃木県小山市の男性(78)は、ミニメロンとミニスイカ、紫アケビ、キュウリの4種を並べて緑のカーテンを作りました。虫がつきにくく、病気にも強いアケビは、夏に約60個の実を付けました。スイカやメロンは専用の棚を作ったといいます。「アケビのジャムを作ったり、アケビの皮を天ぷらにしたりして食べたら、おいしかった」と満足そうです。

緑のカーテンのイメージ(イラスト)

パッションフルーツとアサガオのコンテナ栽培に挑戦したのは、福島県いわき市の男性(67)。パッションフルーツは南国のイメージですが、福島の気候でも十分育ちます。5月半ばに苗をコンテナに植えれば、7〜8月には実がなります。

定年後、長年の夢だった家庭菜園を始めましたが、東日本大震災による原発事故の影響を心配し、一時中断。代わりに心を癒やしてくれたのが、緑のカーテン作りでした。男性は「パッションフルーツの花はトケイソウに似て美しく、実がなる頃は甘酸っぱい香りも楽しめる」と話し、今年も挿し木で増やしたパッションフルーツの苗を植える予定だと言います。

宮崎市の女性(69)は昨年、西日の当たる部屋の窓際で「スネールフラワー」をコンテナに植えました。葉が青々と茂り、つぼみはカタツムリに似ている多年草。成長の早さが特色で、夏には5〜6メートルも伸び、2階のベランダまで届いた。肥料と水を欠かさなければ、簡単に育ちます。「毎日窓を開けて、花を見るのが楽しみだった。電気代も節約できた」と話しました。

●土選びが大事

「緑のカーテン」作りを成功させるには、どんなことに気をつければいいのでしょうか。「市販の苗なら、注意書きに従って育てれば大きく失敗することはない」。こう話してくれるのは「花も実もある よくばり!緑のカーテン」(農文協)の著者の一人で、サカタのタネ広報宣伝課の大無田(おおむた)龍一さん。ただ、「土選びは大事」と言い、「肥料の割合や土の種類がきちんと表示されたものを選び、あまり安価なものは避けたほうがいい」とアドバイスしてくれました。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2014年6月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。