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契約有期か無期かで処遇の差

春、多くの若者が社会人としての第一歩を踏み出しました。日本の雇用は正社員3294万人、非正規労働者1906万人(2013年の総務省労働力調査より)と二つの雇用形態に分かれています。長年、正社員が主流の働き方でしたが、今や非正規が4割になろうとしています。しかし、正社員と非正規、その処遇は大きく違います。どのように違うのでしょうか。毎日新聞の労働担当記者が答えます。

非正規 正社員・・・イメージ(イラスト)

Q: 正社員と非正規っていったいどこが違うの?

A: 非正規というと、普通の社員より短い時間働く、パートなどの労働者を思い描く人が多いと思います。パートも非正規ですが、正社員と一番違うのは契約期間です。正社員は働く契約(労働契約)を結ぶ時に、「期間の定めのない契約」を結びます。大部分は、60歳や65歳など、その会社が決める会社をやめる年齢(定年)まで働く契約とされます。これに対して非正規の契約は1カ月や3カ月、半年など期間を区切られた契約(有期契約)を結びます。無期か有期かに大きな違いがあります。契約社員や派遣社員など、正社員と同じ時間働く人でも、有期契約で働いている人は非正規なのです。

やった!総合営業職 正社員☆ 雇用契約説明時の様子(イラスト)Q: 非正規は短い期間しか働けないの?

A: そうとは限りません。3カ月や半年の契約ですが、期限が来た時に、「もう1回契約しましょう」と契約の更新を何回も重ねて働くケースも多いのです。中には10年、20年と同じ会社で同じ仕事をしているケースもあります。

Q: それじゃ正社員とあまり変わらないんだ。

A: そういう場合もあります。けれど、契約期間が短いので、例えば、契約更新の時に、たまたま不況になって会社の業績が悪い状態だと、更新が拒否されることがあります。正社員は無期の契約ですから簡単に解雇はできませんが、非正規は契約を更新しないことで雇い止め(解雇)できてしまうのです。だから、「不安定雇用」と呼ばれます。

Q: その他に正社員と違うところはあるの?

A: たくさんあります。まず、賃金です。同じ仕事をしていても、非正規の場合、多くは正社員の8〜6割程度になっています。正社員なら夏と冬にボーナス(一時金)が出るケースが多いですが、非正規はボーナスはない場合が多く、あっても正社員の1、2割程度で大きな差があります。賃金格差を感じる場面であり、非正規の人には「ボーナスの時期が一番つらい」と言う人も多いです。また、正社員は退職する時に退職金を与えられるケースが一般的ですが、非正規はほとんど退職金はありません。正社員は長く働くのが前提で、非正規は長く働く前提ではないので退職金制度がないのだと説明されています。

えっ!?1年目は契約だから 雇用契約説明時の様子(イラスト)Q: 非正規ってずいぶん不利な働き方なんだね。

A: 以前は非正規は正社員より簡単な仕事にするなど、仕事の内容に差がありましたが、最近では正社員も非正規もほとんど仕事の中身に違いがないというケースが増えています。例えばカフェで正社員の店長が朝から夕方まで働き、夕方から閉店までは、アルバイトが店長の仕事を代行する、なんてこともあります。

Q: 同じ仕事内容なら断然、正社員の方がいいよね。

A: 大学生の多くは正社員になろうと懸命に就職活動をしています。けれど、こんな例がありました。関東の女子大学生が、就活中に金融・保険関係の「総合営業職」の募集を見つけました。面接の時は正社員だと説明を受け、内定をもらったのですが、その後、会社側と労働契約を結ぶ際、「最初の年は契約(有期)で働くことになっている」と言われました。今さら新たな仕事を探すのも難しく、有期雇用で契約するしかありませんでした。募集時には正社員なのか非正規なのか紛らわしいものも多いので、契約の条件をよく確認することが大切です。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2014年6月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。