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アルコール拭きで除菌 夏場の台所周りを清潔に

夏場、細菌による食中毒が増えます。原因菌の多くは湿度と気温が共に高くなる梅雨時から増殖が盛んになります。食卓を守る手立てを身につけましょう。

「台布巾での水拭きは、雑菌を塗り広げているようなものです」。5月中旬、東京・渋谷で開かれた料理教室。衛生微生物研究センター(東京都葛飾区)の関係者は受講生5人に実験データを示しながら注意を促しました。

雑菌だらけ? テーブルを拭く様子(イラスト)●台布巾は雑菌増殖

同センターの台布巾の実験では、食後を想定した食卓を水拭きし、水道水で洗って梅雨時を想定した気温25度、相対湿度75%の室内環境で自然乾燥し、付着している雑菌数を2時間ごとに採取、計測しました。その結果、水洗い後の台布巾には180個の雑菌が残留。8時間後に333倍の6万個、12時間後には722倍の13万個に増えていました。

また、6日間、朝夕繰り返し使った台布巾で清潔な食卓を水拭きすると、食卓には10平方センチ当たり7万6000個の雑菌が付着。そのうえで食品数種類を食卓に落とし、3秒後に拾い上げ表面の雑菌数を調べると、キュウリのスライスには774個、かまぼこには670個の雑菌が付着するなどの結果となりました。

●紙タオルを活用

一方、食卓をティッシュペーパーとアルコール除菌剤スプレーで拭いたところ、雑菌は検出できなかった。関係者は「食卓や調理台を拭くなら布巾よりティッシュでアルコール拭きしたほうが衛生的」と話します。

この料理教室は、アルコール除菌を広める活動団体「アルコール除菌ラボ@キッチン&食卓」の主催。実験は同研究センターと共同で実施した。国の提唱する「食中毒予防の3原則」=別表=などを紹介するとともに、夏場の雑菌増殖を意識したお弁当作りを行い、日々の食卓衛生管理について要点を伝授しました。

まず布巾は使用してはいけません。食卓や調理台はペーパータオルなどをアルコールスプレーで湿して拭きます。弁当箱も詰める前にアルコール拭きを。火を使う所はアルコールが飛び散らないポンプ式ボトル入りが安心です。生卵を使った時は殻にサルモネラ菌が付いている恐れがあるためすぐに手を洗いましょう。手を拭くタオルは食事のたびに取り換えましよう。

この日のメニューは豚肉のカレーソース焼き、ゴボウのオイスターソース炒め、梅干し青ジソ入り卵焼きなど。主催者の1人は「肉は中心部までよく加熱して」「おかずの汁気が多いと傷みやすいので汁気を飛ばして」「卵焼きは生焼け防止にヘラで押す」などと受講生にアドバイスしました。

除菌 除菌 アルコール拭きの様子(イラスト)●電子レンジ加熱も

汚れを取り除くには便利な布巾。雑菌の繁殖を抑えながら繰り返し使う方法もあります。厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」では「飲用水や洗剤で計5回洗った後に100度で5分以上の加熱」を示しています。これを参考に宮城県保健環境センターが行った「布巾の殺菌効果の検討」(2011年発表)では、洗浄・煮沸▽塩素系漂白剤に浸す▽電子レンジで1分以上加熱――が有効という結果が出ました。「家庭では電子レンジ殺菌が手軽」と同センター微生物部の関係者が教えてくれました。

●「煮洗い」で真っ白

せっけん関連情報などを発信している「生活と科学社」(本社・大阪府茨木市)は、昔ながらの「煮洗い」を提唱しています。同社の手法では鍋に水1リットルに対して炭酸ソーダ入りの粉せっけん小さじ2杯の割合で入れ、布巾などを弱火で20〜30分煮て、水で洗って干します。綿や麻素材の布巾が適しており、同社の関係者は「殺菌効果に加えて、白い布は真っ白になる。タオルやシーツにも効果的」と話します。アルミ鍋はせっけんのアルカリに反応して変色するので避けましょう。

いずれも自分の好みや用途に合わせて実行してみてはいかがでしょうか。

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 ◇食中毒予防の3原則とポイント
 (1)付けない
・肉や魚を調理したまな板や包丁は使用の都度洗う
・焼き肉の際、生肉用の箸と食べる箸は分けて
 (2)増やさない
・生鮮食品は購入後すぐに冷蔵庫へ。過信せず早めに食べる
 (3)やっつける
・ほとんどの細菌、ウイルスは加熱で死滅。目安は中心部が75度で1分以上
・布巾や調理器具は洗剤で洗って乾燥させる

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2014年7月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。