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読書で「独りの時間」を 夏休み、本に親しむコツを聞く−−中江有里さん

作家、中江有里さんが、毎日新聞のくらしナビ面に連載した「ホンのひととき」(2011年11月〜13年3月)を含む中江さんのエッセー集「ホンのひととき 終わらない読書」(毎日新聞社)が単行本として出版されました。夏休みは子どもが本に触れるチャンスの多い時期。無類の本好きで知られる中江さんに読書を楽しむヒントを聞きました。

親子で同じ本を読む様子(イラスト)●親子で同じ本読む

この時期の小中学生の悩みといえば、読書感想文。本を読んで感じたことを言葉に換える力が必要です。抽象的なことの理解が苦手な子も多いでしょう。

中江さんは「算数のような正解がない分、オーダーメードの指導が必要で、学校では限界がある。まずは親子で同じ本を読んでみては?」と提案します。同じ本でも、読んで考えること、面白いと感じる点は人それぞれです。読んだら親子で話をしてみましょう。考えが言葉に整理され、新たな発見も得られます。

最初から1冊について話すのが難しければ、俳句や川柳を使ってみてはどうでしょうか。17字にそぎ落とされている分、書かれていないことをあれこれと想像するのはゲーム感覚で楽しめます。「その延長線に読書もあると思います」と中江さん。

書店で本を手に取る少女の様子(イラスト)●思春期支える財産

収録されたエッセーの中には、思春期に出合った本が生涯、大切なものになる話があります。「自我が芽生えてきて、言葉にならない思いに苦しみ、答えを探す年ごろには『頼れる年上の人』の存在が大切。良い本もその代わりになります」。図書館もよいが、保護者はなるべく書籍代を与えてほしいと話します。自分で選んだ本を買い、何度も読み返して「自分の本にしていく」経験は、大きな財産になります。

中江さんは「読むことは独りでしかできない作業。今の子どもは忙しくて『独りの時間』が少ないが、精神的な独りの時間はとても大切。読書はその時間を手軽に得られるのでぜひ大事にしてほしい。大人も子どもも、心が休まりますよ」と勧めます。

今回のエッセー集には「ホンのひととき」のほか、「週刊エコノミスト」(同)に連載された「読書日記」、さまざまな媒体に載った書評が収録されています。1620円。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2014年8月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。