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女性の転職 機会広がる

ここ数年の景気回復に伴って求人が増え、転職市場が活況となっています。女性活躍推進の流れもあり、女性にとってチャンスは広がっています。結婚や出産時に働き方をどうするか、「バリキャリ」か「ゆるキャリ」か――そもそも女性は男性以上に選択肢がさまざまで、迷いや悩みも生じやすいのが現状です。今、転職をどう考えたらいいのでしょうか。

●国の支援後押し

人材サービス大手のパソナは、転職市場のにぎわいなどを背景に、女性向け転職支援サイトをリニューアルしました。今月には、転職経験者の話を聞く、女性のためのイベントを開き、20代後半〜30代前半を中心に約30人が参加しました。

転職を迷っている女性の様子(イラスト)登壇したのは日本航空(JAL)の客室乗務員から転職を2回経験し、ベンチャー企業に勤めるSさん(34)。「以前はバリバリ働いていたけれど、今はワークライフバランスも重視している。女性なので、いつ何が起きるか分からない。結婚や出産などについては柔軟に受け止めて」とアドバイスしました。

長女(14)と長男(12)を育てながら、損保会社で営業を担当するKさん(39)は、保育士からの転職。「学んだパソコンのスキルを生かそうと転職した。最初は『自分にできるだろうか』と思ったけれど、仕事を通じて多くの人と出会い、世界が広がった」と体験を語りました。

パソナによると、女性の雇用は求人、転職希望者ともに増加しているといいます。同社の専務は「1年半ほど前から、企業は新規事業のため人員や仕事を増やしたり、組織を変えたりしているため」と説明します。

企業側のニーズの高まりに加え、国の女性活躍推進、主婦の再就職支援の後押しもあり、「自分の能力を試してみたいと思う人にとって、キャリアチェンジのチャンス」と専務は話してくれました。

●できる→やりたい

一方、転職サービス「DODA」を運営するインテリジェンスが今年4〜9月に実施した調査によると、転職を希望する理由の1位は「ほかにやりたい仕事がある」。2位の「会社の将来性が不安」は減少傾向で、スキルアップやキャリアアップなど、ポジティブな理由が目立ちます。

DODAの編集長は「特に20代後半の女性は、社会人デビューの時期、リーマン・ショック後で就職が厳しかった。そのため、転職市場が回復して選択肢が増えたことによって、『できる仕事』から『やりたい仕事』に就きたいという動きになったのではないか」と見ています。

●活動機に内省を

キャリア志向のバリキャリか、プライベートも重視したゆるキャリか、子どもを産んでも仕事を続けるのか、ペースダウンするのか――人生の節目で、働き方に影響を受けやすい女性は、その都度、選択を迫られることも多くあります。

キャリアカウンセリングの様子(イラスト)女性のキャリアに詳しいキャリアカウンセラーの女性は「転職市場に活気があるといっても、転職にはリスクが付きものなので、しないで済むならしない方がいい」と慎重さを求めた上で、「転職と転職活動は違う。転職活動は人生を豊かにするためにやってみてもいい」とすすめます。

「転職活動は知的トライアスロン」とこのカウンセラーは言います。情報収集▽自分を相手にどう伝えるか▽「内定を受けるかどうか」などの判断力▽「これから自分がどうしていきたいか」など内省力――が求められ、成長につながるからと指摘します。

また「何が嫌で転職したいのか、突き止められていない人が多い」と語りました。

「上司とそりが合わない」「仕事が自分に向いていない」などの不満を抱いたとき、すぐに転職を考えるのではなく、まず上司のどういうところが苦手なのか、何が向いていないのかを見つめ直します。その上で、自分の方がなじむ工夫をしたか、状況を変える努力をしたかが大切だといいます。

「自分に合わないと思う部署で、どういう努力をしたかは転職活動でも問われます」

カウンセリングの中で、相談者から「潰れない会社はどうやって見つけられるか」と尋ねられることもあるといいます。「65歳まで、その会社が潰れないかどうかなんて分からない。まず自分がどう成長したいか考えて」とカウンセラーは説明しました。

適職を探したり、現職場に対する不満を解き明かしたりするため、悩んだら、キャリアカウンセラーなど第三者に相談することは助けになります。また自分の好き嫌いだけでなく、今、何が求められているのか、社会のニーズを知っておくことも重要です。

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2014年12月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。