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2014年回顧 「食の安全」混乱相次ぐ

国民生活センターは、消費者相談件数の多かった内容や注目を集めた出来事を基に「2014年の10大項目」をまとめました。特徴的なのは冷凍食品への農薬混入事件、期限切れ鶏肉の使用などの「食」の安全にまつわる事案や、通信教育大手で起きた大規模な個人情報流出などでした。消費者トラブルの傾向などから教訓を学び取り、生活上の注意点を再認識したいと思います。

●混入や期限切れ

昨年12月末、当時マルハニチロホールディングスの子会社だった「アクリフーズ」群馬工場で冷凍食品への農薬混入事件が起きました。契約社員だった男が農薬「マラチオン」を混入させ、嘔吐(おうと)や下痢など体調不良を訴える人が出ました。

チキンナゲット ピザ ソース焼きそば 食の安全のイメージ(イラスト)この際、同工場が流通大手など他社から生産を受託した商品では、製造者として「アクリフーズ群馬工場」と記載しなくても問題がないことから、プライベートブランド(自主企画商品)の一部で工場名の記載がない製品もありました。このため、回収対象の特定が遅れて回収の遅れなどが生じ、表示の見直しにつながりました。消費者庁は来年6月までに施行される食品表示法で、加工食品には工場所在地や製造者名の記載を原則として義務づける方針です。

7月には中国の食品加工会社が期限切れの鶏肉を使っていたことが発覚しました。国内では日本マクドナルドやファミリーマートなどに納入されていました。

また、しゃぶしゃぶ、日本料理店などを展開する木曽路(名古屋市)が大阪市と神戸市の2店で、メニューに松阪牛などと表記しながら実際には安価な他の和牛を使っていたとして、消費者庁の措置命令を受けました。昨年、相次いで発覚したホテルや有名料理店の虚偽表示と同じことがまた発覚しました。

今月には即席麺「ペヤングやきそば」にゴキブリが混入した商品1点が見つかった問題も起き、製造元の「まるか食品」(群馬県伊勢崎市)は、全24商品の生産と販売を当面休止しています。
 食の安全に関する話題が多かった今年、国民生活センターに寄せられた食品の安全・衛生にまつわる相談は、11月までに9572件と、前年同期に比べて1.8倍と増加、ここ5年で最多となりました。

●情報流出、詐欺も

7月、通信教育大手のベネッセホールディングス(岡山市)の顧客情報が流出した。顧客データベースを管理していた外部業者のシステムエンジニアだった男が不正競争防止法違反(営業秘密の複製、開示)の罪で公判中です。

この事件を受け、今月政府がまとめた個人情報保護法改正案の骨子では、不正な利益を得るための情報提供を処罰する「個人情報データベース提供罪」が新設されました。

「個人情報」が話題となったことに便乗し、詐欺の電話も頻発しています。「あなたの個人情報が漏れているので、削除してあげる」など、個人情報削除を持ちかける詐欺に関するセンターへの相談が、昨年の4倍以上に増加しました。

詐欺電話の中には、国民生活センターなど公的機関をかたるものもあるので注意したいところです。

ドテッ 子供がランニングバイクで転倒する様子(イラスト)●子どもの事故頻発

首浮輪やランニングバイクといった近年流行の子ども用グッズの注意喚起も目立ちました。

首浮輪とは、「C」の形になっている浮輪を乳幼児の首に取り付け、ベルトをはめて入浴時などに使用します。口コミなどで近年使う人が増えています。しかし、保護者が自分の洗髪などで目を離した際、首浮輪から乳児が抜けてしまったりしておぼれてしまうなどの事故が起きています。子どもが成長して首が太くなったため、苦しくないようにと空気を十分に入れていなかった事例もありました。中には乳児が重体となった例もあるため、「たとえ短時間でも目を離してはいけない」とセンターは呼びかけています。

「ランニングバイク」「トレーニングバイク」などの名称で人気の、幼児向け二輪遊具の事故情報も寄せられています。ペダルがなく足で地面を蹴って走るが、ブレーキは付いていないものが多く、坂を下っていた男児(4)が縁石にぶつかって放り出され、植え込みの枝が顔に突き刺さり重傷を負ったケースもありました。

消費者問題に関する相談は、消費者ホットライン(0570・064・370)へ。

◇国民生活センターが選んだ10大項目

・高齢者の消費者被害が依然として多く、認知症などの被害者も目立つ
・事業者からの個人情報の大量流出事件が発生
・国民生活センターなど公的機関や弁護士をかたる詐欺的勧誘が急増
・食の安全と信頼が脅かされる事件が相次ぐ。食の安全性に関する相談がここ5年で最多
・インターネット通販などのネット関連トラブルは引き続き増加
・遠隔操作によるプロバイダー変更勧誘トラブルが急増
・若者に投資関連トラブルが拡大
・繰り返される子どもの事故
・消費税が8%にアップし、便乗値上げや表示に関する相談も増加
・消費者関連法規の改正により地方消費者行政の基盤を強化

毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2015年1月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。