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マイナンバー制度 気をつけることは?


赤ちゃんから高齢者まで国内に住む全ての人に12桁の番号が割り振られる「マイナンバー」制度で、今月から個人の番号を記した「通知カード」が世帯ごとに全員分まとめて送られて来ます。遅くとも年内には届く予定です。ただ、やむを得ない事情があって家族に居場所を知られないように暮らしている人は、現在住んでいる所に通知カードを送ってもらうこともできます。その手続きは9月25日に締め切りましたが、通知カードの発送前なら対応してくれる市区町村もあるそうです。一人にひとつのマイナンバー(イラスト)

●送付先の変更は

住民票と異なる住所で暮らしている人は、住民票がある自治体に「居所情報登録申請書」を出して通知カードの送付先を変える必要があります。ドメスティックバイオレンス(DV)やストーカー、児童虐待などの被害者は、申請書を出さなければ通知カードがかつて同居していた加害者の手に渡ってしまう可能性が高いのです。送付先を変える手続きの締め切りは9月25日でしたが、その日を過ぎても、発送前なら応じる市区町村もあるそうで、窓口に相談することをお勧めします。

変更するには、全国の役所や総務省のウェブサイト(http://www.soumu.go.jp/で入手できる申請書▽居住実態を証明する書類(公共料金の領収書など)▽本人確認書類(運転免許証などのコピー)をそろえて送付します。

DVの加害者が自治体職員だったり、職員の知人だったりする場合には、申請書を出すことによって、避難先の居場所が知られてしまう恐れもあります。その危険を避けるため、送付先を本人ではなく被害者支援団体の事務所にするといった方法もあります。

また、今回の通知カードの受け取りの機会に住民票の住所を現住所に変更すれば、カードは現住所に届きます。ただし、この場合は住民基本台帳や戸籍の付票に閲覧制限をかけることが不可欠です。そのためには警察署などで被害を証明する書類を作成しなければならず、手続きに時間がかかります。

仮に加害者に番号を知られた場合、被害者は番号変更を認められる可能性が高いそうです。

●身分証明書にも

そもそもマイナンバーは、現在ばらばらに管理されている「税」や、「社会保障」といった個人情報を同一人物の情報としてひも付けする共通番号です。行政機関同士のやりとりが効率化し、国は税の徴収漏れなどを防げるそうです。将来的には預貯金口座もひも付けする方針で、個人資産への国の管理が強まる見通しです。

カードを受け取る対象者は、10月5日現在で住民票がある人です。番号は原則として一生変わりません。通知カードは紙製で、表面に番号▽住所▽氏名▽生年月日▽性別が記載されます。6人家族なら6人分がまとめて簡易書留で届きます。

希望すれば通知カードを、「個人番号カード(マイナンバーカード)」という別のカードに無料で替えられます。ICチップ入りのプラスチックカードで、通知カードの記載事項に加えて顔写真も載るため、身分証明書として使用できます。希望者は、通知カードの簡易書留に同封されている交付申請書を使用するか、インターネットで申し込むことになります。

マイナンバーカードの受け取りは、住所がある自治体の窓口に出向いて本人確認書類を提示して通知カードと引き換えることになります。総務省住民制度課によると、なりすましを防ぐため、乳児でも受け取る際は必ず本人の来庁が条件になります。長期入院などでやむを得ない場合のみ、個別に判断するそうです。

通知カードが届いたら、企業などで働いている人は勤務先に番号を報告することになります。税や雇用保険などの情報管理に使うためです。扶養家族がいる場合、扶養家族分の番号も申告します。

役所にて手続きの為マイナンバーカードを渡す男性(イラスト)●悪用の懸念

政府はマイナンバーの導入で「暮らしが便利になる」としていますが、現時点ではそうとも限りません。例えば児童手当を申請する際、添付書類を省略できるメリットはありますが、手続きそのものは従来通り役所で行うのが基本となります。また、年金受給者が確定申告をする際、2016年度から書類にマイナンバーも記載するのに伴い、新たに本人確認作業が加わります。

マイナンバーカードがなければ利用できないサービスも多いですが、焦ってカードを取得する必要はないとの声もあります。マイナンバーは膨大な個人情報とつながるため、カードを通じた情報漏えいや悪用が懸念されるためです。また、預貯金口座にひも付けされることについては「国が個人の預貯金額を把握する目的が不明確」と指摘する声もあります。

●カードを紛失したら

カードをなくした場合は自治体に連絡し、再発行してもらうことになります。悪用の恐れがある場合、緊急の利用停止措置を取る必要があります。問い合わせは電話0570・783・578(緊急のみ24時間対応)へ。

一方で、このマイナンバー制度に関連し、行政機関や情報セキュリティー会社を装った不審な電話や家庭訪問が全国で相次いでいます。国民生活センターは「マイナンバーや、付随する個人情報は絶対に他人に漏らしてはいけません」と注意を呼び掛けています。


毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2015年10月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。