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少額投資、若年層にお勧め


老後資金など資産作りの一つとして、少額で始められる投資に関心が集まっています。資産の少ない若年層などにも購入しやすいよう、投資用の積み立てを500〜1000円からできる金融機関も出ています。昨年から始まった優遇税制のNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)も人気です。ただ、専門家は「経験のない高齢者は無理に投資をしなくてもよい」とアドバイスしており、じっくり考えたうえで利用したいものです。

●NISAきっかけ

2月14日、東京都内で、インターネット証券4社が、イベント「ネットでNISA in Tokyo」を開き、昨年を約500人上回る3088人の個人投資家が集まりました。専門家による経済状況の分析や、国内外の投資運用会社による商品の解説、タレントの投資にまつわるトークショーなど朝から夕方までプログラムが続きました。参加者からは「昨年は、投資で生活費1年分をもうけた」「ここで新しい投資手法を学びたい」などと熱心に聴き入っていました。

記者会見したSBI証券の高村正人社長は「NISAをきっかけに新しく取引を始めた人は3割に上る」と手応えを感じています。また、楽天証券の楠雄治社長は「500円、1000円から積み立てができる」とし、若い人でも数千円で複数の資産を構成できると解説しました。

NISAで投資で簡単に投資デビュー(イラスト)●「1000円」で安心感

日本証券業協会が主要な証券会社を対象に行った調査では、NISA口座の稼働率(投資を始めた割合)は50%を切っています。しかし、「1年目は手続きに時間がかかったが、2年目はスムーズに行っており、稼働率は上がってくるのではないか」(高村社長)とさらなる広がりに期待を寄せています。

一部の投資家の間で話題を呼んだのが1月に放映された三菱東京UFJ銀行のテレビCMだ。女優が投資とかかれた陸上のハードルを前にためらっていたところ、「月々1000円から投資ができ、NISAなら非課税」と言われて、ハードルが下がり、「これなら私も投資デビュー」と跳び越えます。同行は「若い世代からの反応は良かった。1000円からということで安心感を得られたのでは」と言います。

NISA口座も資産の多い高齢者の利用が多いとされるが、同行は「NISA開設に関する声かけは、投資経験者へは一巡し、投資未経験者に移っている」とし、若年層への拡大も図る考えです。

●年代ごとに傾向

若年層と、高齢者では投資の傾向に明確に違いが出ています。投信評価会社のモーニングスター(東京都港区)の利用者登録状況によると、60代、70代は分配金が毎月出る投資信託が上位10位を独占しました。

これに対し、年齢が下がるにつれ「毎月分配型」は減り、例えば20代は10本中5本にとどまります。残りの5本は日経平均などの指数に連動する「インデックス」と呼ばれるものでした。モーニングスターの朝倉智也社長は「コストが安く、分配金を出さないため、(そのまま再投資する)複利効果が期待できるインデックスのほうが、長期間投資する若い世代が資産を増やすためには合理的だ。意識の高い人ほどインデックスを選ぶ」と分析します。

高齢者が毎月分配型を選ぶ傾向については、「経済的な合理性はないが、安心感を得られる『心の合理性』はある。築いた財産を取り崩すための利便性はある」とみています。しかし、高齢者でも投資初心者が退職金などを大きく増やそうと、毎月分配型に集中投資するのは危険とし、「ハイリスクの投資でいいのか、虎の子のお金が減ったらどうなるのか考えるべきだ」と注意を促します。

若者がニュースに関心を持っている様子(イラスト)●情報に惑わされず

「投資信託にだまされるな!」(ダイヤモンド社、1620円)の著者でファイナンシャルジャーナリストの竹川美奈子さんも「かつては、投資は何十万円という額が必要だったが、少額でできるようになった。インフレや年金制度のことを考えると、若い世代ほど投資をしたほうがいい」とします。さらに「投資を始めると、ニュースにも関心を持つようになる。その場合、日々の値動きに惑わされないことだ」と述べ、少額を積み立てながら、日本だけでなく国際分散したインデックス投資を始めるよう勧めます。

その一方で、竹川さんは高齢者の投資について「お金がないから投資で増やそうというのは難しい。元本を絶対に減らしたくない人もやめたほうがいい」と指摘しています。

●銀行や証券会社で口座開設

NISAの口座を開設したい場合は、銀行や証券会社に申し込みます。銀行では株を購入できないなど、金融機関によって扱う商品が違うため、事前に調べたほうがよいでしょう。申し込みは窓口でもインターネットでも可能ですが、ネットの場合は書類が送られてくるので、必要事項を記入して返送します。住民票の写しも必要となります。開設後は、NISA口座を指定して商品を購入します。不明な点は金融機関に問い合わせれば、教えてくれます。

◇NISA(ニーサ)

2014年1月に始まった個人投資家向けの税制優遇制度。専用口座で年間100万円まで購入した株、投資信託などについて、売却益や配当・分配金の課税(税率20.315%)が最大5年間免除されます。若い世代の長期的な資産形成も狙いの一つ。1人1金融機関にしか口座を作れません。20歳以上の国内居住者なら利用でき、非課税枠の拡大や未成年者対象の「子ども版」創設も予定されています。


毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2015年4月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。