お役立ち情報/情報ものしり帖


ストレスを手軽に回避するには


人間関係の悩みや仕事の過重などでストレスを抱える方は多くおられます。企業は2015年12月から従業員へのストレスチェックが義務化され、メンタルヘルス対策を迫られるようになりました。とはいえ、ストレス要因をなくすのは容易ではありません。個人で取り組める低減法を探りました。

●今月から検査義務

厚生労働省の調査(2012年)によると、働く人の6割はストレスを感じながら仕事をしています。ストレスの要因は、「人間関係」(41%)が最も多く、次いで「仕事の質」(33%)や「仕事の量」(30%)となります。性別や年代による差もあり、特に男性では、「会社の将来性」(29%)や「昇進・昇給」(23%)、「定年後の仕事・老後の問題」(22%)なども高いストレス要因となっています。ストレスを抱えるビジネスマン(イラスト)

過剰なストレスは心身の健康のバランスを崩し、うつ病などのメンタルヘルス不調をもたらします。6割弱の事業所でメンタルヘルスに問題を抱えている社員がおり、数は増加傾向にあるという調査(10年)もあります。

こうしたなか、15年12月から従業員50人以上の事業所には医師らによる従業員へのストレスチェック検査が義務づけられました。本人がストレス状況に気づいてメンタルヘルス不調を未然に防ぐことや、企業が結果を分析して職場環境を改善し、ストレス要因を減らすのが狙いです。

とはいえ、仕事をしていく以上、ストレス要因そのものをなくすのは至難の技です。ストレスの軽減には、職場の適切な対応と個人レベルの対処法が車の両輪として欠かせないのです。

●新認知行動療法

個人が取り組めるストレス低減法としては、新しい認知行動療法である「マインドフルネス」が注目されています。米グーグル、アップル、インテルなどグローバル企業が相次ぎ従業員研修プログラムに取り入れています。

マインドフルネスは東洋文化の「瞑想(めいそう)」を元に、1970年代に米で開発された技法です。自分が体験する「今この瞬間」に意識を集中することで、過去の失敗や将来への不安がもたらすネガティブな感情に気づき、それらと距離を置き、やり過ごすことができるようにするのです。

日常生活のなかで簡単に実践する方法もあるそうです。

●戦わずやり過ごす

最も簡単なのは呼吸を通じたエクササイズです。呼吸法というより、生きるための源泉である呼吸を「今の瞬間」を意識するツールとして活用するのです。

まず、楽な姿勢で座りリラックスします。目をつぶり、ゆっくり3回深呼吸してから、自然な呼吸に入る。鼻の穴を通り抜ける空気のにおい、感触や音、呼吸の「間」などを意識しながら、呼吸に集中していきます。途中で仕事や家庭のことが浮かんできても避けず、雑念はそのままにして、呼吸に集中することだけを心がけるのです。

1回に1〜2分間、1日に何度か取り組むのがお勧めです。エクササイズを続けていくと「浮かんでくる雑念や嫌な感情は、自分から切り離すことができる」のだそうです。

呼吸だけに限りません。歩く際に地面と触れる足の感覚に集中する▽食事の際、食べ物の味わいや感触に集中する▽クラシック音楽を聴く際に、それぞれの楽器のパートに集中してみる――など、日常生活のさまざまな局面で「今この瞬間」に集中することは可能なのです。

実際、職場でいらだったり、焦ったりする場面では、わずかな間でも呼吸などのエクササイズを再現し、嫌な気持ちをやり過ごせるようにします。外からのストレス要因と戦う必要はないのです。感情を引きずらず、自分で感情をコントロールすることで、ストレスは低減できるのだそうです。

マインドフルネスでストレスをコントロール(イラスト)<日常のなかで取り組めるマインドフルネス>
■呼吸のエクササイズ
@楽な姿勢で座りリラックス
A目をつぶり、ゆっくり3回深呼吸
B自然に呼吸し、穏やかな気持ちで呼吸に注意を向ける
C鼻の穴を通る空気のにおい、感触や音などを意識する
D呼吸と呼吸の「間」を意識する

■歩くエクササイズ
@ゆっくり歩く
A両足の先に意識を向ける
・右足から左足へ重心が移動する感覚は?
・着地した地面は硬いか?
・凹凸はあるか、平らか?
・最初に地面に触れるのはつま先か、かかとか?
B慣れてきたら、速く歩きながらやってみる

[気をつけるポイント]
・テーマに意識を集中する
・テレビを見ながらなど、他のことはしない
・雑念が湧いても気にせず、そのままにして今に集中するよう心がける
・体験したことは、良しあしを判断せず、そのまま受け入れる


毎日新聞生活報道部

Copyright© 2003 - 2016 Kyoei Fire&Marine Insurance Co.,Ltd. All rights reserved
※掲載されている情報は2016年1月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。