お役立ち情報/情報ものしり帖


健康維持に一役買います 食品成分表


子どもたちの学校給食の栄養指導などで基礎的なデータとして活用されている「日本食品標準成分表」の2015年版が昨年、文部科学省から公表されました。日本人の食生活の変化に合わせ、収載食品が15年ぶりに大幅に増えています。「干しヒジキに含まれる鉄分が製法の変化で減少」など、家庭でも活用できる内容が充実しました。インターネットでも公開されており、ぜひお読みになってみてはいかがでしょうか。

●ベーグル、空揚げも

ベーグル&空揚げの栄養素は?(イラスト)日本食品標準成分表は各種食品の栄養素を詳しく載せた唯一の公的データです。1950年に初版が出て以来、改訂を重ね、今回の2015年版は5年ぶり7回目の改訂です。収載食品は2010年版の1878品目から2191品目に増えました。全589ページで、1章の「説明」、2章の「成分表」、3章の「資料編」から成ります。他にアミノ酸、炭水化物、脂肪酸に関する独立した成分表編があり、全4冊で構成されています。

日常的に利用されている食品の栄養素の組成を知る絶好のテキストで、15年版の大きな特色は、最近の食生活の変化に伴って食べる機会が増えたベーグルやキウイフルーツ、調理後の豚カツ、空揚げなど新たな食品が大幅に増えたことです。

日本の伝統的食品を代表しているマアジやサンマ、ヒラメなどの刺身や、サツマイモ、キスなどの天ぷらも新たに掲載されました。小麦アレルギーへの関心が高まっていることから、米粉パンや米粉麺も成分表の掲載項目に加わりました。健康志向で注目される植物のアマニやエゴマの栄養組成も新たに加わりました。

●調理で栄養変化

読み物としてもおもしろいものになっています。特に3章の「資料編」がお勧めです。たとえば、調理によって栄養成分がどう変化するかが分かり、腎臓に障害のある人は、摂取制限が必要となるカリウムの残存率を知ることで健康の維持に役立ちます。

食に関する知識も豊富になります。水道水に含まれるミネラル量は地域ごとに記載されています。それを読むと「カルシウム量」は、九州・沖縄が北海道や東北より約6割多くなっています。マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸は10年版に比べて8〜9割も減っています。

資料編には、スーパーで新しく見かける野菜や果物がどんな品種の交配で誕生したかの記述もあります。「食の基本知識を得る上でも有用ですね」との声もあります。

●ミカンに「機能性」

「温州ミカン」(品種名)と呼ばれるミカンがあります。静岡県内のJAが「骨の健康に役立つ」として昨年秋、「体にどのようによいか」を表示できる「機能性表示食品」として消費者庁に受理されて注目されています。機能性成分のβ―クリプトキサンチン(色素の一種)の含有量は100グラムあたり1700〜2000マイクログラム(マイクロは100万分の1の単位)ですが、「セミノール」、「せとか」、「はるみ」といった他品種のミカンにも約700〜1400マイクログラム含まれており、1個あたりで比べると温州ミカンに相当するミカンもあることが分かります。

●釜の違いでヒジキの鉄分に差?「日本食品標準成分表」を読み物として楽しむ主婦(イラスト)

「鉄分の優等生」と言われた干しヒジキで、含まれる鉄分が製造時の釜の差で異なることが分かり、食品標準成分表でも触れられています。干しヒジキは釜で煮沸したあと乾燥されますが、煮る際に鉄釜を使うと100グラムあたりの鉄分は約58ミリグラムなのに対し、ステンレス製釜では約6ミリグラムと、10倍近い差がありました。最近の釜はほぼステンレス製のため、ヒジキの鉄分はこれまでの約10分の1となる計算です。

これに対し、事業者の組織団体は「韓国産や中国産ヒジキではステンレス製釜でも100グラムあたり約48ミリグラムの鉄分があります。国内で流通するヒジキの約8割は海外産なので、ヒジキの鉄分は高いとみてよいのです」と反論しています。

15年版はエクセル版がネットで無料公開されており、食品中の栄養素を多い順に並べ替えて、グラフにすることもできます。英語版のエクセルも公開されているため、今後、国際的にも活用される機会が増えるとみられます。


毎日新聞生活報道部

Copyright© 2003 - 2016 Kyoei Fire&Marine Insurance Co.,Ltd. All rights reserved
※掲載されている情報は2016年2月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。