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就職活動:来春の採用は「超短期戦」か?


2017年春大学卒業予定者に対する企業の採用活動が3月から本格的に始まりました。2年連続で日程が変更されましたが、長期化への不満が高かった前年から一転、「超短期戦」となるという見方がでています。準備を着実に進め、日程に振り回されない就活をすることが重要です。

「大切なのは、なりたい職業より、やりたいこと。自分の人生で何を達成したいのか、考えてみよう」

東京都目黒区で2月に開かれた広告・ネット業界の合同説明会。数々のCMヒット作を生み出してきた男性クリエーターが壇上で体験談を交えながら仕事観を語り始めると、詰めかけた約200人の学生らは熱心にメモを取り始めました。17年春卒業予定者の採用活動は3月に本格スタートしましたが、2月から業界セミナーなどさまざまなイベントが活発化しており、大学3年生の就活は既に動き出していました。

●選考開始を前倒し圧縮スケジュールで就活する学生(イラスト)

経団連が定める「採用選考に関する指針」の改定で、17年春卒採用は前年に続き日程が大きく変わりました。企業説明会など広報開始は3月と前年と変わりませんが、面接など選考開始は8月から6月へと2カ月前倒しされます。

16年春卒採用は、政府主導の日程変更で、広報開始が3カ月、選考開始は4カ月それぞれ前年より後にずれました。でも企業の求人意欲は高く、学生への事前接触など採用競争が過熱した結果、日程は空文化し、大手企業でも事実上の内定を出すピークは6月になりました。今回の日程変更は実態に合わせたという意味合いが強いのです。

日程変更でポイントとなるのは選考前の「広報期間」が3カ月と大幅に短期化されたことです。大手企業が内定を出すのは6月になるとみられ、就活はそのヤマ場に向けた「超短期戦」との予想が強まっています。

採用支援会社の調査では、企業の65%は3月に説明会を開始し、68%は5月までに面接を始めるそうです。さまざまな採用活動が短期間に集中し「かなりの圧縮スケジュールになる」との見方が多く出ています。

学生は就活を進めながら、自己理解を深め、多くの選択肢の中から、自分に合った業界・企業を絞り込んでいきます。それには一定の時間が必要です。でも3月に入って合同説明会や学内セミナー、企業説明会などのイベントが目白押しとなれば、キャリア観も深まらないまま、日程に翻弄されてしまうリスクもあります。

別の採用支援会社が運営する情報サイトの編集長は「超短期戦のなか、志望先を絞り込むための時間的余裕がなく、本命を絞り込めたとしても、企業理解が進まないのではないのではないでしょうか」と危惧しています。もとより売り手市場のなか、学生の大手志向は強く、大手ばかりに意識が向きがちになります。この編集長は、視野を広げ、企業理解を掘り下げる「T字形」の就活を心がけるようアドバイスしています。

●イベント活用をウェブ説明会を見る学生(イラスト)

具体的にはどう動くべきでしょうか。また違う人材支援会社が運営する新卒向け情報サイトの編集長は、限られた時間を有効に使う「時短就活」を勧めています。

就活は、業種・職種▽会社の雰囲気▽働きがい――など優先順位を決めることがカギになります。就活サイトの情報だけでは見つけにくいため、リアルな話を聞ける就活イベントを活用することがおすすめだそうです。

イベントは、受動的に臨んでは、効果が薄いのです。具体的にどんな仕事をしているか、納得できるように受け止めましょう。企業担当者と学生がフラットに話ができるソーシャルパーティーなども大きな効果があります。最近はウェブ説明会も増えており、企業説明会の日程が取れない場合はそれで代替できます。個別の企業説明会に出席するには時間や交通費がかかりますが、ウェブ説明会を見て興味を持った企業に足を運ぶ手法ならロスも少なくなります。

要は、さまざまな手段を活用し、早く自分の優先順位を見つけることが大切なのです。


毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2016年3月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。