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無理なく おいしく減塩


5年ごとに厚生労働省が行う「日本人の食事摂取基準」の見直しに伴い、4月から塩分の摂取目標量が厳しくなりました。実際にはこれまでも塩分の取りすぎが問題になっています。無理なく減塩するためにはどのようにすればよいのでしょうか。

●摂取目標量厳しく

塩分摂取目標量は、今回の見直しで男性がこれまでの1日「9グラム未満」から「8グラム未満」、女性が「7.5グラム未満」から「7グラム未満」へと厳しくなりました。

2011年秋に開かれた「生活習慣病に関する国際連合学識者会議」で、塩分の取りすぎは、たばこに次いで生活習慣病のリスクが大きいと提言されたのです。世界保健機関(WHO)の基準は1日5グラム未満です。塩分の取りすぎは高血圧、動脈硬化、心筋梗塞(こうそく)、脳卒中、胃がんなどのリスクを増大させます。

減塩の重要性はこれまでも強調されてきましたが、現実には1日の摂取量は男性11.1グラム、女性9.4グラム(国民栄養調査)と、目標量よりも約2グラム多かったのです。

手作りで塩分をコントロール(イラスト)●酸味やだし使って

医学博士でもある、女性管理栄養士は「おいしく減塩するための10のコツ」を提案しています。

(1)酸味を上手に使う(2)香味野菜(3)酸味+辛み+香り(4)だし(5)とろみづけ(6)新鮮な素材(7)焼き目で香ばしさ(8)濃いめの色に仕上げる(9)おかずの組み合わせにめりはりをつける(10)しょうゆの代わりに麺つゆやポン酢を。

「減塩料理はおいしくないというイメージを持つ人が多いですが、酸味やだし、香りを上手に使うと、素材の味がいき、濃い味のものよりおいしくなる」そうです。

現在の食事の問題点は「見えない塩」だとも指摘されています。日本人の食事は加工食品などの市販品が増え、塩分量が一般の人にはわかりにくくなっています。英国で成功した減塩の取り組みでは、食品メーカーが組織を作り、段階的に減塩し最終的に10%の削減ができたといいます。

「メーカーの役割は大きく、英国のようにまとまって対策を取ることが必要です。自分でできるのは、手作りで塩分をコントロールすることしかありません」と指摘されています。

●薄味に慣れていく

別の専門家は「減塩はおいしくないと続きません」と話されます。国立循環器病研究センターは1食の塩分2グラム未満の食事を紹介した「国循の美味しい!かるしおレシピ」(セブン&アイ出版、1944円)で話題になりました。いきなり薄味にするのでなく、少しずつ減らし味に慣れていくことが大切です。また香辛料、酸味をきかせるときも、下味を工夫して使うことで物足りなさは感じないそうです。

調味料を計量スプーンなどできちんと計測し、味を確認することも必要です。「量って味付けをしてみると意外に少ない塩、しょうゆでもしっかり味がつくことに気づきます」。

まず、1食当たり1グラムを減らすように心がけましょう。定食の漬物を食べない▽みそ汁の汁は半分にする――。それだけで1、2グラム減らせます。ラーメンも汁を全部飲まず半分にしましょう。

減塩レシピ「鶏むね肉のバターぽん炒めしそ風味」(イラスト)食品メーカーも減塩のためのさまざまなメニューを提案しています。ミツカンホールディングス(愛知県半田市)は、人気料理レシピサイト「クックパッド」と共同で「ミツカンとクックパッドのほど塩レシピ」(幻冬舎、1080円)を出版し、料理を紹介しています。

その中の一つ、「鶏むね肉のバターぽん炒めしそ風味」は、味付けはポン酢だけですが、バターが入ることでコクが増します。

ポン酢で鶏肉をもみ込むことで肉がぱさつかず、柔らかな仕上がりになります。かたくり粉で肉をコーティングし、味が逃げません。肉に焼き色を付けることで香ばしさが出て、青ジソの香りがポイントになり、しっかりした味付けになっています。


毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2015年5月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。