お役立ち情報/情報ものしり帖


扶養手当が廃止されたとき、どのように家計を守りましょうか?


民間企業で社員に支給する配偶者への扶養手当を見直す動きがでています。大手自動車メーカーはすでに、2021年までに配偶者への扶養手当を廃止することを決めました。今年10月には、企業規模など一定の条件を満たすパート労働者について社会保険料が免除される被扶養枠が、これまでの130万円未満から106万円未満に引き下げられます。女性の生き方や家族のあり方に影響を与えそうなこれらの動きをもう一度見直し、家計防衛の方法を考えてみませんか?

共働きが世帯主流に(イラスト)●共働き世帯主流に

配偶者への扶養手当は扶養家族のいる社員や公務員に対して支給するもので、「配偶者手当」や「家族手当」など呼び方や支給額はさまざまです。正社員の男性が一家の大黒柱として働き、専業主婦の妻が家庭の家事や育児を担うのが一般的な家族モデルとなった高度経済成長期に定着しました。

この自動車メーカーはこれまで、年収103万円以下の配偶者など1人目の扶養家族に月1万9500円、子どもなど2人目以降の扶養家族に1人同5000円を支給してきました。新制度では対象者から配偶者を外す一方で、配偶者以外の扶養手当は人数に関係なく1人当たり一律同2万円に引き上げます。今年1月から段階的にはじめ、21年までに完全移行します。

人事院の職種別民間給与実態調査(15年)によると、配偶者手当を支給する企業(従業員数ベース)は少しずつ減ってはいるものの全体の7割に上り、このうち84.9%は支給条件として配偶者の収入に制限を設けています。制限額は、税法上の被扶養者として配偶者控除が適用される103万円が68.8%、社会保険の被扶養者として健康保険料や年金保険料などの支払いが免除される130万円が25.8%です。

●「専業」優遇見直し

時代の変化とともに共働き世帯が主流となり、男女とも生涯未婚率も増加しています。厚生労働省の調査では、既婚のパート女性の2割が年収が103万円や130万円を超えないように就業調整しており、女性の就業抑制につながるとの批判も根強くあります。

厚労省の検討会は4月、「家族手当が普及・定着した当時と比べて納得性が低下し、家族手当の意義も変化している」として、配偶者の働き方に中立的な制度になるよう労使の話し合いを求める報告書をまとめました。今後は専業主婦世帯の優遇措置を見直す動きが加速しそうです。

ファイナンシャルプランナーによると、仮に月2万円の配偶者手当が廃止されれば、所得税などが減ったとしても、ボーナスも減るため年間約30万円の負担増になることもあるそうです。

さらに10月から社会保険料の適用が106万円まで引き下げられることも決まっていて、家庭のマネープランやライフプランに大きな影響を与えそうです。年収120万円のパート女性(40歳以上)の場合、10月以降の手取りは約15万円減の約101万円となるとの試算もあります。

106万円未満で働いた方が得をする計算ですが、夫の会社の配偶者手当も廃止されれば、世帯年収は約40万円も減ることもありえます。このフィナンシャルプランナーは「今後も税制や社会保障制度はどう変化するか分かりません。どうなっても世帯年収を増やすためには、妻もできるだけ稼ぐ方がいいです」とアドバイスしています。

夫婦で話し合いを(イラスト)●夫婦で話し合いを

世帯年収を増やすためにはどうすればいいのでしょうか。家計と家事・育児はそれぞれ少しずつ夫婦で分担するよう発想を転換することが必要なようです。夫が家計、妻が家事・育児と分けて担う考え方もありますが、離婚や病気などのリスクはあります。夫婦だけで回らなければ、家事代行サービスなどの外部に委託する方法もあります。

まずは現状の家計分担や家事・育児の割合がどうなっているか、可視化する作業が必要です。互いの収入と支出、家事分担の現状を書き出してみましょう。さらに夫婦それぞれの夢や理想を話し合ったうえで、理想のマネープラン、ライフプランを考えましょう。長い夫婦生活で分担の割合が変化することもあるでしょう。税制や社会保障制度に頼り過ぎず、夫婦で協力して家計を守るのが得策なようです。


毎日新聞生活報道部

Copyright© 2003 - 2016 Kyoei Fire&Marine Insurance Co.,Ltd. All rights reserved
※掲載されている情報は2016年6月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。