お役立ち情報/情報ものしり帖


スマホを紛失したら…


スマートフォンがない。街中でメールを確認後、かばんにしまったはずなのに、中を何度あさっても見当たらない……。5人に1人がスマホをなくしていると言われる時代。記者の紛失体験から対応と教訓を探りました。

スマホを紛失したのに気付いたのは、最後に手にしてから約6時間後、帰宅して充電しようとした時でした。落とした場所に心当たりがないので、どうやって捜せばいいのか途方に暮れ、わらにもすがる思いで、訪れた駅や店に連絡したが見つかりません。なくしたスマホに電話をかけても、むなしく呼び出し音が鳴るだけ。スマホはいまだに見つかっていません。

スマホに登録済みの友達の連絡先は覚えていません。目的地まではナビゲーション頼り。スマホに依存した便利な生活を続けるほど、なくした時の痛手は大きいのです。

スマホを探す女性(イラスト)●10人に1人戻らず

サイバーセキュリティー会社「ルックアウト」が2014年に日本国内の18歳以上のスマホ保有者1000人を対象にした調査では、5人に1人に紛失の経験がありました。紛失場所の上位は▽公共交通機関、ショッピングセンター▽飲食店▽路上▽勤務先――の順でした。場面別に見ると「公共の場所に置いて、うっかりそのままにした」が45%と最多で、意外にも「ポケットやかばんから滑り落ちて気づかなかった」も25%ありました。紛失した10人に1人はスマホが戻ってこなかったといいます。

紛失時に重要なのは、端末を捜すことだけではありません。「悪用されるのを防ぐ必要もある」と情報セキュリティー会社「シマンテック」の担当者は強調します。

●個人情報の宝庫

スマホはアドレス帳、メール、写真、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やネットバンキングのアカウントといった個人情報の宝庫。同社が11年に米国などの5都市でスマホを公共の場に置き忘れたふりをして発見者の行動を調査したところ、96%が中の情報を見ようとしていたといいます。さらには発見者の半数が持ち主の銀行口座へのアクセスも試みていました。

一方で、日本人の53%は紛失に備えた対策を取っていないのも分かっています(13年の「イベントに参加する人」のセキュリティー意識に関する調査)。

情報が流出してしまったら、金銭的な被害だけでなく、交友関係にも影響を及ぼしかねません。「自分のプライバシーが詰まっていると自覚してほしい」と注意を促しています。

インターネットでスマホを発見(イラスト)●ロック設定、充電

最も基本的な保護対策として、他人が簡単に操作できないように普段からロック機能の設定は欠かせません。記者は複雑なパスワードでロックしていたので少し安堵しました。スマホには紛失時に役立つ、遠隔操作での端末ロック、位置検索、初期化といった機能が付いているものも多いです。設定時に利用可能にしておくことが必須です、パソコンでインターネットを使って、スマホの基本ソフトが米グーグル社のアンドロイドなら「Androidデバイスマネージャー」、米アップル社のアイフォーンを使っているなら「iPhoneを探す」にアクセスすれば、端末のある場所を確認できる可能性もあります。

ITジャーナリストの石川温さんは「電源が切れたらそうした機能は使えないので、紛失に気付いたら早めに手を打つべきだ」と助言します。そのためにもスマホのこまめな充電を心がけたいものです。

●回線中断の手続き

携帯電話会社との契約内容によっては、紛失した端末を捜すサービスを受けられるので事前に調べておくといいでしょう。記者は勝手に通話や通信を利用されないように回線を一時的に遮断するため、紛失時の対応窓口に連絡しました。

手元にスマホが戻らなかったときでも、大切なデータまで失わずに済むよう端末を設定し、最低限のバックアップを取っておきたいものです。「自動的に同期される標準機能のクラウドサービスは便利」と石川さん。機種変更時にも簡単にデータが移行できます。

駅の落とし物も一定期間が過ぎると警察へ移されるので、警察に遺失届を出しておきましょう。警視庁遺失物センターの須賀隆所長によると、東京都内の15年の遺失届受理点数第3位がスマホなどの携帯電話類で、24万7452件でした。増加傾向にあります。

スマホの場合、警察に届いてから持ち主を特定するのに各携帯電話会社にSIMカード番号による調査を依頼します。持ち主が判明したら、各社から持ち主に保管先と引き渡しの期限が通知されます。


毎日新聞生活報道部

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