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キャンピングカーで気軽旅


旅好きのシニア層を中心にキャンピングカーが人気です。寝床があるので気ままに出かけられ、災害時は避難生活の場にもなると期待されています。大型で高価なイメージがありますが、軽自動車を改造した手ごろな価格のタイプもあり、買い替え時の選択肢になっているようです。

●予約不要、犬も一緒

キャンピングカーで気軽旅(イラスト)「生活必需品がそろっているので、自分の家と変わりません」。大型のピックアップキャビンを愛用して25年の山梨県甲斐市に住む小山誠二さん(75)の感想です。スキーに行くのに宿を取るのが大変と、購入を決めたそうです。

今は、妻とラブラドルレトリバー2匹とともに、全国の百名山を登り歩いています。40日間かけて北海道を旅したことも。旅先では主に一般道を走るそうです。宿を予約していないので天候を見ながら動けます。温泉巡りも楽しみの一つ。ご飯は炊くものの、おかずは主に旅先で手に入れるそうです。地元の魚屋で格安の刺し身を手に入れたこともあったといいます。車内の電子レンジで温められる食品も活用します。「宿代を考えると旅費はリーズナブル。疲れたときには、車の中で過ごせば家族水入らずでいられる」と利点を強調します。

キャンピングカー関連業者でつくる一般社団法人「日本RV協会」によると、団塊世代が定年退職を迎えた2007年以降、国内におけるキャンピングカーの保有台数は増加傾向が強まり、15年には1.6倍の約9万5100台になりました。利用者の約75%が50〜70代で、夫婦2人での利用が大半を占めます。

●軽は100万円台から

15年に出荷および輸入されたキャンピングカーの総台数は5264台。そのうち軽タイプが1077台となり、初めて4桁を超えました。軽キャンピングカーは100万円台から購入でき、自動車税や保険といった維持管理費の安さ、燃費の良さが好評の理由といいます。

「1カ月の製造台数は15台ほど。納車までに半年待っていただいている状態です」。こう明かすのは、軽自動車をベースにしたキャンピングカーを製造・販売する「オートワン」(神奈川県藤沢市)の青木秀之代表。

静岡県伊東市に住む男性(75)は、リタイアを機に愛犬のシーズー2匹も連れて、旅を満喫できるように普通車から乗り換えました。「犬と一緒に宿泊できる施設はまだ少ない。キャンピングカーなら行き先の制約がないので」と話します。妻と交代で運転できるように、狭い道や駐車場にも対応しやすい軽タイプを選んだそうです。普段は近所の買い物に使っているとか。

「平日を使って渋滞を避けることもあり、状況に合わせ、のんびり走れます」。後部座席を折りたたんで専用マットを敷けば、足を伸ばして眠れます。今春には親族に会うため鳥取県へ1週間出かけたそうです。

オートワンの売れ筋は、独自仕様の「給電くん」。サブバッテリーに電気を蓄えられ、電子レンジや炊飯器も使えます。エンジンを動かしている間だけでなく、屋根に装備したソーラーパネルによって停車中でも充電できるのが強みです。

寒いときには、エンジンをかけずに暖まれるヒーターも取り付けられます。天井を動かし高くできる「ポップアップルーフ」にすれば、車内で立ち上がれるだけでなく、最大4人まで寝られます。価格は160万〜360万円ほど。「震災に備えて避難生活もできるよう、電気回りの充実や使い勝手を重視するお客さんが多いです」と青木代表は言います。

購入時のポイントとして、キャンピングカージャーナリストの渡部竜生さんは「自分が求める使い方にあった機能があるか確かめましょう」と助言します。各地で開かれるキャンピングカーショーでは、多彩なタイプを比較できます。

キャンピングカーで車中泊(イラスト)●車中泊エリア設置

キャンピングしていると、駐車場所に迷うケースもあります。駐車禁止エリアでの滞在はもちろんダメ。駐車できたとしても、車外にテーブルやイスを広げて調理したり、トイレで洗濯をしたり、たまったゴミを捨てたりする行為もあり、問題視されるようになりました。日本RV協会は12年から公認の車中泊エリアの設置を進めており、10月現在で82カ所に上っています。有料ですが、電源が使えるなど利便性が高いです。

自然に囲まれた山梨県甲斐市の宿泊施設「サクラリゾート」内にも今年4月にオープンしました。駐車料金は1泊1000円。別料金で大浴場の利用や、ゴミ処理もできます。総支配人の天野泰義さんは「鳳凰三山が一望できるので、朝食時にレストランを利用する人も多い」と話します。居合わせた利用者同士が旅の情報を交換するといった、新たな交流の場にもなっているようです。


毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2016年12月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。