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自宅でできるO157対策


病原性大腸菌O157による食中毒が相次ぎました。埼玉、群馬両県の総菜店で購入したポテトサラダを食べ、感染。横浜市や埼玉県川越市、津市などでも発生しました。O157に限らず、気温が上がって菌が増える6〜9月は食中毒が起きやすいです。家庭でできる対策を徹底しましょう。

もしかしてO157?(イラスト)食中毒の原因は、細菌とウイルスに大きく分けられます。細菌には、病原性大腸菌、カンピロバクターがあり、ウイルスの代表的なものはノロウイルスがあります。厚生労働省によると、2016年の食中毒発生件数1139件のうち、細菌が42.1%、ウイルスが31.3%でした。病原性大腸菌の中でもO157やO111などの腸管出血性大腸菌は毒性が強く、1998年に厚労省が統計を取り始めてから、年間8〜27件発生しています。

●死に至るケースも

O157は96年、堺市の学校給食で9500人以上が感染、4人が死亡した集団食中毒で注目されました。11年は富山県などの焼き肉店で生ユッケを食べた181人が食中毒症状を訴え、O111に感染した5人が死亡。昨年は千葉県と東京都内の施設でキュウリのあえものからO157に感染した計10人が死亡するなど汚染物質は肉、野菜、水と多岐にわたっています。

「O157は強烈な毒素を出し、脳症や腎臓障害などの合併症を起こした時は死に至る場合もある菌であることをまず認識すべきだ」と東京医科大学の中村明子兼任教授(微生物学)は指摘します。

一方、秋に向けて警戒が必要なのがノロウイルスです。食中毒患者の約6割を占め、11〜3月の冬の時期に患者数が増えます。保育園や学校、高齢者施設での集団発生もあり、今年2月には、東京都立川市で学校給食の刻みノリに付着したウイルスが原因で、1000人以上の集団食中毒が発生しました。昨年死亡した人はいないが、子どもやお年寄りは重症化したり、吐いたものを誤って気道に詰まらせたりする危険があり、注意が必要です。

しっかり洗おう(イラスト)●加熱と洗浄が重要

O157対策として最も重要なのは加熱(75度で1分以上)と、食材についた菌を洗い流すことです。盲点になりやすいのがシンクなどの調理場。菌が増える条件は水分、温度、栄養。食品を洗った水の中にも菌の栄養となる成分は溶け込んでいるので、調理後はシンクを洗剤で洗い水分を拭き取ること。布巾やスポンジも洗って乾燥させる。菌は10〜60度で増殖し25〜35度前後が最も活発になります。「加熱しても死ぬわけではないので、食品の温度管理は徹底して」と話します。

今回問題となったポテトサラダは調理の過程で最後にキュウリなどの生野菜を混ぜていたとされます。厚労省によると、野菜ごとに対策はそれぞれあります。キュウリは、流水で洗った後、丸のまま熱湯に5秒ほどくぐらせ、皮をむきます。ブロッコリーやカリフラワーは熱湯でゆがきます。キャベツなど葉物野菜は1枚ずつ流水で十分に洗います。「10月ぐらいまでは菌が繁殖しやすい環境が続きます。真夏と同じように気をつけて」と中村兼任教授は注意を呼びかけています。

●冷蔵庫うまく使う

このほか、食中毒対策全般として重要なのが冷蔵庫の使い方です。温度が上がると菌が増殖するため、冷蔵庫の温度を10度以下に保ちましょう。そのためには、詰めるのは7割程度にし、ドアの開閉は少なく短時間にとどめます。また、肉や魚の汁が食材などにつくと2次汚染が起こるので、汁が漏れないように冷蔵庫の下の部分で保存します。調理した物を保存する時は短時間で冷えるように、小分けして入れましょう。

調理後も、気をつけたいものです。清潔な器具で調理しても、取り分ける箸やトングが菌に汚染されていると、食品全体に広がるので、箸やトングも清潔にします。また、口をつけた箸には雑菌が多くいるので、箸をつけた食べ物を残さないよう、取り箸で取り分けるようにします。

ノロウイルスは少ないウイルス量でも、便や吐いたものからの2次感染が起こります。トイレの後はしっかり手洗いし、使い捨てのペーパータオルで拭きます。感染していても症状が出なかったり、下痢などの症状がなくなったりした後もウイルスの排せつが続いたりするため、発熱や腹痛など風邪に似た症状があったら調理せず、手洗いは常にしっかりすることが重要です。食中毒が疑われる場合、症状が重くなりやすい幼児や高齢者は早めに受診すること、症状を悪化させることがあるので下痢止めを安易に飲まないことに注意です。ノロウイルスにかかった人の吐いたものを片付ける際には、換気や手袋、マスクをした上で、拭いた後も消毒します。


毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2017年9月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。