お役立ち情報/情報ものしり帖


水害に備えよう


秋は台風が多く発生し、被害が増える季節。水害にどう備えればいいのか改めて確認します。

ハザードマップをチェック!(イラスト)●自治体が防災地図

まず活用したいのが洪水ハザードマップです。各市区町村が、河川が氾濫した場合に備えて、住民の避難に活用されることを目的に作製し、自治体のホームページ(HP)などで公表していて、自分が住んでいる地域の浸水の可能性を知ることができます。ハザードマップを見たことがない人もいるかもしれません。一度は確認しておきましょう。

例えば、東京都荒川区のハザードマップ「荒川区防災地図(水害版)」を見ると、荒川の堤防の複数箇所が決壊した場合に想定される浸水の深さや避難方法などを地図で示しています。また、裏面には緊急避難建物一覧(公共施設)や避難行動チェックリストなどが記載され、「逃げ遅れたら無理をせず、高い場所で救助を待つ。強固な建物の3階以上に避難する」とあります。

日ごろから家族間で、自分たちが住んでいる地域のハザードマップを見て、水害発生時の安否確認の方法や集合場所を話し合っておくとよいでしょう。

静岡大の牛山素行教授(情報災害学)は「水害に備える基本は、洪水や土砂災害が起きた時に居住地や仕事先の周辺でどんなことが起こり得るかをハザードマップなどで確認すること。避難イコール避難所への移動と固定的に考えず、場所と状況に応じて行動してほしい」と話します。

水害が起きそうな時や起きた時に欠かせないのが情報収集です。避難のタイミングを判断する上でも最新の正確な情報を得ることが大切です。

気象庁は7月から、地図上に5段階で色分け表示した「洪水警報の危険度分布」をHPで提供しています。濃い紫(極めて危険)▽薄い紫(非常に危険)▽赤(警戒)▽黄(注意)▽水色(今後の情報等に留意)――の5段階で、早い段階から水害発生の危険度の高まりを一目で確認できます。

緊急速報メールを活用しよう!(イラスト)また、国土交通省は昨年9月から、携帯電話やスマートフォンに情報を送る緊急速報メールを活用して、事前申し込みや登録手続きが必要ない「プッシュ型配信」で洪水情報を送るシステムを開始しました。2020年度までに全国の109水系で実施していく予定です。

●避難「遠」「高」「速」

避難の方法は、切迫度の高い順に「垂直避難」「水平避難(近距離)」「水平避難(長距離)」「水平避難(遠距離)」に区分されます。垂直避難は、緊急時に居住する建物の上層階に逃げることですが、家屋そのものが流失する恐れもあるので絶対に安全とは言えません。水平避難は、時間的な余裕がある時に、より安全な場所へ移動することです。

では、どの段階で避難すべきでしょう。自治体から発令される避難情報には、危険度の低い順に「避難準備・高齢者等避難開始」「避難勧告」「避難指示(緊急)」があり、一つの目安になります。

「避難準備・高齢者等避難開始」は、避難に時間を要する人(高齢者や障害者、乳幼児など)と支援者が避難を始める必要がある段階に発令されます。その他の人たちも避難の準備を整える必要があります。

防災システム研究所(東京)の山村武彦所長は「気象庁もさまざまな気象情報を出しているが、活用し切れていない人が多い。日ごろからどんな情報があるか確認し、災害が起きそうな時は自分で情報を取りにいくことが大事」と指摘します。そのうえで「防災は自助・共助・公助と言われるが、近くで助け合う『近助』が重要。避難は早め早めを心掛け、声を掛け合い一緒に避難してほしい」と話しています。


毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2017年9月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。