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多様化する宅配ボックス


宅配便の増加で注目が高まる宅配ボックス。不在時の荷物受け取りが可能になるため、集合住宅だけでなく、戸建て住宅用の需要も増えています。どんな商品があってどのような使い方ができるのでしょう。

集合住宅の宅配ボックス(イラスト)物置と一体化した大型ボックスから簡易な布製ボックスまで、市販の戸建て用宅配ボックスにはさまざまな種類とサイズがあります。約30種類の宅配ボックスを取り扱う住宅用資材通販サイト「環境生活」では、今年4月ごろから戸建て用の検索件数がそれまでの約10倍に跳ね上がったそうです。サイトの運営責任者は「配達遅延や宅配会社の負担増がニュースで話題になり、宅配ボックス需要が掘り起こされたのでしょう」とみています。マンション向け宅配ボックスは以前から一定の需要があったけれど、戸建て用に関する問い合わせは今年に入り急増しているそうです。

責任者によると、戸建て用ボックスの主な価格帯は3万円前後ですが、低価格商品は数千〜1万円前後、高価格商品は10万円前後までと幅広いです。3辺の合計が100センチを超す大きいものや、配達物を2個以上受け取れるもの、宅配便の発送ができるものとサイズや用途は多様化しています。冷蔵宅配便に対応する本格的な戸建て用ボックスは一部発売されているけれど、ほとんどのボックスは未対応です。

不動産情報サイトを運営する「アットホーム」が今年6月、戸建ての持ち家に住む計620人に実施した調査によると、「戸建て用宅配ボックスがほしいと思う」と回答した人は70.5%に上りました。「宅配ボックスにかけてもいいと思う費用」は1万円台が最多で45.1%。「環境生活」でも、最も売れているのは価格が約1万円で、ワイヤで門柱などに固定する簡易な布製ボックスだそうです。一方で、床面に穴を開けてネジで固定するほか、柱を打ち込んだり門塀に埋め込んだりする外構工事が必要な商品も多いです。この責任者は「低価格の簡易型は、最初の1台として気軽に試したいという人に人気。一方で、防犯性が高く外観になじむスタイリッシュなデザインの宅配ボックスも増えてきました。ニーズは二極化しています」と話しました。

荷物の受け渡しは、宅配業者が配達物をボックスの中に入れて施錠し、受取人が備え付けの鍵や機械式のダイヤルロック錠で解錠するタイプが多いです。使用を始める際は、荷物の紛失や盗難を防ぐため、宅配業者への通知が必要です。

宅配ボックスは利用前に説明を(イラスト)日本郵便の場合は、最寄りの郵便局宛てに宅配ボックス利用の申込書を提出します。その後、郵便局担当者が現地に赴き、雨や漏水で荷物が汚損されない▽安全な強度や錠前を備えている▽盗難防止のために固定されている――などを確認し、配達を開始します。ヤマト運輸も「利用前に必ず配達員に直接、利用の意思と方法を告げてほしい」と呼びかけます。宅配ボックスを設置しても、1回目は配達員から直接荷物を受け取り、その際にボックスの利用を告げると、営業所で情報を共有し、次回からボックスに荷物を配達します。利用開始の意思が確認できなければ、設置されていても荷物を入れることはなそうです。

戸建て住宅に宅配ボックスの設置が広がれば、荷物の再配達は大幅に減らすことができそうです。パナソニックは2016年12月〜17年3月、福井県あわら市の106世帯に戸建て用宅配ボックスを設置し、再配達率の増減を調べる実証実験をしました。その結果、設置前に49%だった再配達率は、平均8%にまで減少したそうです。住民からは「宅配の時間指定を気にしなくてもよくなった」「玄関に出なくてもよいのでうれしい」という声が寄せられたそうで。パナソニックの担当者は「今後はポストと同じ位置づけで、特に新築戸建てでは一家に1台が設置される時代が来るのではないでしょうか」と話しています。

●取り扱い 20年で2.6倍

インターネット通販の普及で、宅配便の取扱量は年々増えています。国土交通省によると、2016年度の宅配便の取扱個数は40億1900万個で前年度比7.3%増でした。1996年度は15億3000万個で、取扱量はこの20年間で2.6倍に増えました。


毎日新聞生活報道部

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